はてブロ岬
引き続き、来月の北海道COMITIA8をよろしくお願いします。告知告知。
今週のお題「あの人へラブレター」ということで書いてみる……とはいえ、ぱっと書くような相手は見つからない。寂しい生活をしているものよと思いつつ、平穏であるのが一番、のような気もする。関係ないがカードゲーム『ラブレター』は名作なのでもっともっと遊ばれてほしい。
ふと思い立ち、リサイクルブック稲田店へ。前々から話題にしている、帯広イチのサブカルに強い古書/中古レコードの店だ。積もる話に花を咲かせ……というほど明るい話題ではなかったものの、久しぶりに話せてよかった。単純に、こういった偏屈な店をやっているというのに滅茶苦茶いい人だ、というのがここの店主の面白くも信頼できるところで、繰り返しになるが帯広に来たら一度は訪れてみて欲しい。きっと楽しめるはずだ。最近はサエキけんぞう氏とつながりがあるらしく(サエキ氏が関連音源を卸している唯一の店だそうだ)、そちらのファンも一度は訪れるべきだろう。帯広には珍しい、お薦めのスポットだ。
今日のCD。
- アーティスト: パール兄弟
- 出版社/メーカー: UNIVERSAL J(P)(M)
- 発売日: 2008/02/27
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 3回
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日本のロックユニットによるベスト・アルバム。1992年発表。というわけで、サエキけんぞう氏のイイ仕事に触れていきたい。こちらはパール兄弟時代の、メンバーも音楽的にも充実していた時期(そうではない時期も面白いが)に発表されたベストだということで、パール兄弟を手っ取り早く知るために最適、とのこと(曰リサイクルブック店主)。バンド形式のニューウェーブ・ポップス、という言い方はできるものの、サエキけんぞう氏の変幻自在なユーモアと窪田晴男氏の職人的なギターが光る、ストレンジでありながら高品質な楽曲の数々は今聴いても十二分に面白い。というか、最近のバンドが面白いと思ってやっているギャグの類はだいたいサエキ氏がもっとラディカルな方法で使い尽くしてしまっているのではないかとすら思う。今聴いても尚新しい、ということはないかもしれないが、『日本の面白い音楽』史に於いて押さえておいても損のない大定番であることは確かだ。
今日のCDその2。
日本のバンドによる1stアルバム。2017年発表。というわけでこちらもサエキけんぞう関連音源。ジョリッツはハルメンズの記念再結成『ハルメンズX』を母体として結成されたバンド、ということで、概ね現代のハルメンズ、ということになるのだが、個人的にあまり思い入れがないので最新のバンドとして聴いた。パール兄弟や、作詞の仕事などで遺憾なく発揮されてきたサエキ氏の面白くもストレンジな感性は現代に於いてもまったく衰えることなく、かつての盟友や下の世代の才能を借りて爆発している。皮肉っぽくフレンチ・ポップスを歌う一方でゴールデン・カップスなどにもルーツのある氏のヴォーカルは独特の艶があり、ニューウェーブを何度もねじれさせたような演奏をストレートに聴かせるものとしてまとめている。サウンド面でハルメンズを思い出させるというよりは、今なお受け継がれるハルメンズの精神性をフィーチュアした、という感じだろうか。攻めの、現役の、ロック・アルバム。名盤。
はてブロのグルー
入稿。というわけで、告知。
来月、6/17(日)にホテルさっぽろ芸文館で行われる北海道COMITIA8にサークル『Survival Sickness City』で参加します。新刊は以下の二点。
「外は天気雨。目の前に、花嫁がふたりいる。」
『結婚式』と『百合』をテーマにした書き下ろし小説。スターターブックよりプロトタイプ掌編「銀幕の雨」収録。
『狐の嫁入り』
一次創作長編小説
A5判 本文28ページ 500円 イラスト:いな(@xxequal)
サブカルチャーを愛するすべての人へ捧げるファンジン第3号。特集は南米とゲーム『VA-11 Hall-A』。
『CONSOMME CUBE Vol.03』
A5判 本文20ページ 400円 イラスト:山田まりん(@the886lab)
・コラム:『VA-11 Hall-A ――最新の、そしてもう一つの南米文学の形』(先行公開中)
・ゲームレビュー:『ゆめにっき』
・ゲストページ:山田まりん(from『the886lab.』)
・ブックレビュー:『悪魔の涎・追い求める男 他八篇』、『CITY (1)』
・ポルノグラフィティ全オリジナル・アルバム・レビュー(後編)
・Spotifyで聴けるシェフのおすすめプレイリスト『The Other Side of Glitch City』
・エッセイ:『ミロンガを想う』
・詩:『屑鉄』
その他、既刊も在庫のあるものは一通り持っていきます。宜しくお願いします。
今週のお題「おかあさん」ということで書いてみる。母には本当に苦労をかけ通しで、どう孝行したものかな、とずっと考えている。こうすればいい、終わり。ということも無いのだろう。常に感謝と尊敬の念でもって日々を過ごしていきたいものだ。
今日のCD。
- アーティスト: JOY HEIGHTS
- 出版社/メーカー: WILDDISK
- 発売日: 2008/06/04
- メディア: CD
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JOY HEIGHTS『Country Kill』
日本のバンドによる1stアルバム。2008年発表。ここのところMO'SOME TONEBENDERをよく聴いており、とはいえ『The Stories of Adventure』は名盤!「足跡とショートホープ」名曲!みたいな、五億六千二回ぐらい言われていることを繰り返してもしょうがないのでメンバーの関連音源を。大友良英/百々和宏/tatsu(レピッシュ)/中村達也、という、字面から音楽が聞こえてきそうな面子で録音されたアルバム。基本的には足回りを軽くしたKing Crimsonがジャム・セッションしている感じというか、もともとライジング・サン・ロック・フェスティバルの企画で意気投合した企画だったらしいのだが、あの現場、RED STAR FIELDの夜中を知っている人間であれば問答無用でエキサイトできそうな内容。おそらく現場の熱量は凄まじかったのだろう、という想像で止まってしまうのが惜しいアルバムではあるが、それでもなお、この音源を越えてくるような格好良さというのは他ではあまり見かけないし、シンプルに辣腕同士の真剣勝負、ということで聴いてみて損はない。モーサム関連音源というには若干、百々の影が薄い気がしないでもないが、これはこれで、ロックンロールバンドであるモーサムとはまた違った一面が感じられて良いのではないだろうか。複雑な味わいの良盤。
今日のCDその2。
- アーティスト: オムニバス,惑星,THE BACK HORN,MO’SOME TONEBENDER,NAHT,怒髪天,fOUL,キセル,YOGURT-pooh,オーサカ=モノレール,スクービードゥー
- 出版社/メーカー: スピードスター・ミュージック
- 発売日: 2002/04/24
- メディア: CD
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V.A.『スペースシャワー列伝 ~宴~』
日本のライブ企画によるコンピレーション。2002年発表。モーサム関連でもう一枚。企画自体は今でこそすっかりお馴染みとなったものだが、流石に16年前の面子ともなると凄まじい。メジャー・レーベルで選んだ裏『極東最前線』とでも言うべきか、当時はハードコアが如何に時代のポップまで接近していたか、という記録として意義深いアルバム、だろう。Scoobie Doや怒髪天、THE BACK HORNといったバンドの初期の(隠れた)名曲、NAHTやfOULといったそれこそ『極東最前線』勢、今となっては懐かしい名前まで、本当に捨て曲のない名コンピであり、繰り返しになるがメジャーでこれを編めたというのは本当に奇跡的だと思う。
ズブズブのグランジっぷりが微笑ましい。少しPlastic Tree風でもある。
GO! はてブロ GO!
今週のお題「ゴールデンウィーク2018」ということで書いてみる。家族全員で回転寿司を食べに行ったり、ブックオフGWセールのCD棚(500円以下のCDが半額)をざっと眺めたりしたが、基本的には家でぼーっとしていた。また貯金して旅行などしたいものだが。
同人誌の原稿作業を終え、製本作業に移る。これから印刷に回すということもあり、告知はもう少し待っていただければと思う。
ということで次回参加イベント、北海道COMITIA8で発表する『CONSOMME CUBE Vol.03』より冒頭のコラムを公開した。
南米文学と『VA-11 Hall-A』について、僕なりに思い入れとリスペクトを込めて書いた文章なので、一読いただけると嬉しい。
今日のCD。
killie『犯罪者が犯した罪の再審始まる』
日本のバンドによる現在入手困難な音源を再録した編集企画盤。2018年発表。いま最も、しなやかで力強い暴力が味わえる音源、だろう。かつては音源をコンクリ詰めにしてリリースしたりと一筋縄ではいかなかったバンドであるし、今回の音源に関しても様々な仕掛けが用意されているのだが、あくまでもハードコア由来の『伝えたいこと』に対する真摯さ、がきちんと感じられる。音楽ジャンルで分類するのならば『カオティック・ハードコア』ということになるのだろうが、確かな演奏技術と目つきの据わった悪意は背筋がぞっとするほどかっこいい。かっこいいがしかし、怖い。音楽を聴いてこんなに肝を冷やしたのは初めて、かもしれない。安価なわりに取扱注意な音源だとは思うが、覚悟のある人はぜひとも体験してほしい。バンドが宣言する通りの、『ロックンロール』を爆音で耳に流し込める作品だ。
はてブロトルネエド
いろいろあった。
今週のお題「カバンの中身」ということで書いてみる。誰と会ったときでもすぐに遊べるよう、カードゲーム『ラブレター』を忍ばせてあるのだが、未だに役に立ったことが一度もなくて悲しい。
お題「わたしの春うた」ということで書いてみる。住んでいる場所が北だということもあり、あまり春だからどうこうということはないのだが、堂島孝平の「スプリング スプリンガー 〜春に跳ぶ人〜」という曲はとにかく好きだった。堂島孝平自身はいつでも才能ある人だが、特にGo Go King Recordersがバックだった時代は無敵だと思う。
友人に誘われるまま、クトゥルフ神話TRPGのセッションに探索者として参加した。15年ぐらい前にプレイしたきりだと思うのだが、とてもいいセッションになり大満足。参加者全員の健闘もあり、クトゥルフにしては爽やかなエンディングだったのだが、いかにもホラーといった感の後味の悪い話も今後やっていきたい。
ザワ・フリークビート『Private World』を最後まで読む。最終巻のみネットでも有料だが、それ以外の話はすべて無料で読めるので楽してみてほしい。いい年した大人と音楽って何だろう、というテーマにまっすぐ向き合った名作。作中で出てくる音楽もいまなら(定額)聴き放題サービスで簡単に聴けてしまうし、お薦めだ。
ザワ・フリークビート『Private World』がいつの間にかnoteに移っててしかもとっくに完結していたことを知る。慌てて注文しましたよ。https://t.co/MT3vHCsLrM
— クローカ (@chrorograph) 2018年3月21日
ノクターンノベルズ(小説家になろうの18禁コーナー)で見かけた、『暗殺教団の長になったから異世界の鬱展開なんて全部ぶっ壊すわ。』という小説が面白い。大げさに言ってしまうと藤田和日郎meets桜井光、をライトノベルでやったような、けれんの効きすぎた勧善懲悪もの。序盤からなかなかに面白いのだが、特に『蛇王降臨編』ぐらいから一気に面白くなるので気になったら読んでみて欲しい(章立ては細かいが、そこまでの分量でもない)。18禁であるところのゴア要素はライトノベルに収まる範疇であろうし、お薦めだ。
これ、今まで読んできたなろう系の小説の中で1番ツボったな。18禁だけどエロは無し(ゴア表現が若干あり)。桜井光のスチームパンク・シリーズ・ファンにぜひ読んでみてほしい。
— クローカ (@chrorograph) 2018年4月1日
暗殺教団の長になったから異世界の鬱展開なんて全部ぶっ壊すわ。 https://t.co/kpSlaTTFcG
今日のCD。
CHANCHIKI TORNADE-1st tornade for flying around the world-
- アーティスト: chanchiki tornade
- 出版社/メーカー: SPACE SHOWER MUSIC
- 発売日: 2009/10/07
- メディア: CD
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チャンチキトルネエド『CHANCHIKI TORNADE -1st tornade for flying around the world-』
日本のバンドによる現在唯一のアルバム。2009年発表。このバンド名で、後に『あまちゃん』劇伴に参加することになる、といった辺りでだいたい音の予想がつくというか、要はチンドン・ブラスだ。しかし篠田昌已〜ソウル・フラワーとは微妙に肌触りの違う、どちらかといえばクストリッツァ監督映画なんかに通ずるジプシー・ブラス色も強い。押し引きこそきちんとしているものの、とにかくパワフルで、最早『ブラスのスラッシュメタル』なんじゃないかとすら思わされる瞬間も。吹奏楽愛好家から、プログレ系ブラス・ロック趣味、騒々しい音楽なら何でも、というひとにまで幅広く薦められるのではないだろうか。名盤。
本田祐也『ニシヘヒガシヘ チャンチキトルネエドの活動と、本田祐也が生きた、ある劇場的時間の録音記録 1994~2004』
日本の作曲家によるフィールド・レコーディングを中心としたアルバム。2005年発表。というわけでこちらはチャンチキトルネエドを結成/先導した本田祐也の生前の録音を集めたもの。チャンチキトルネエド名義とは楽曲のいくつかが被りつつ、フィールド・レコーディングということで場の喧騒もにぎやかに、とにかく生々しい演奏が収められている。本田祐也という人は畑としては現代音楽に近かったらしく、そういった録音もあるが、当人はあまりアカデミックなものに寄りかかることをよしとしなかったらしく、作曲を含めてあくまでポップな表現として描かれている。前述のスタジオ盤と比べると単純に音が悪い、と言ってしまうこともできるため、好みではあると思うが、2枚で1セットだと思って聴いてみて欲しい。こちらも名盤。
はてブロホール
齢33にして初めてタブレットというものを手にする。Kindle Unlimitedで『声優グランプリ』と『声優アニメディア』が読める、というのでスマートフォンよりも大きな端末が欲しかったから、なのだが、安物なのでそこまで大きくなく、若干物足りず。とはいえ、問題なく使えているし、単純に新しいガジェットを手にするのはわくわくするものだ。
米津玄師『Lemon 映像盤』が届いたため、まずは付属DVDの武道館公演の模様を観る。正直、侮っていた。本当にこの人は、何をやらせても周りを圧倒するというか、時代を掌握してしまう力を持っているな、と思わされる。いまのままでも十分に凄いが、これ以上に確かなヴィジョンを持ってバンドメンバーを揃えたら、さらに恐ろしいことになると思う。
次号の『CONSOMME CUBE』について準備を始める。今回はゲーム『VA-11 Hall-A』と南米文学、(ゲームに於ける)グリッチにラテン・ミュージックといったあたりをまとめてお届けする予定。まだあくまで予定だが、表紙が賑やかになると思われるのでそういった点も楽しみにしていただきたい。ポルノグラフィティ全アルバムレビューその2、も執筆中だ。
今日のCD。
doorAdore (完全生産限定盤A[CD+DVD+フォトブック])
- アーティスト: Plastic Tree
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2018/03/07
- メディア: CD
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doorAdore (完全生産限定盤B[CD+DVD+フォトブック])
- アーティスト: Plastic Tree
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2018/03/07
- メディア: CD
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Plastic Tree『doorAdore』
日本のバンドによる14枚目のアルバム。2018年発表。文句なしの名盤だ。『echo』、『剥製』と、決して悪い出来ではないが地味な作品が続いた(特に『剥製』は「マイム」というキラーチューンがありながらもそれを活かせていないように思えた)のに対し、シンプルに音が太く、またメリハリや押し引きがしっかりしてわかりやすくなっており、ひとつの『ロック・アルバム』として広く勧められる出来だ。そういった意味では(過去作で例えるとするならば)『トロイメライ』と『ネガとポジ』を足したような作品、とも言えるだろうし、しかし楽器の鳴りはいかにも今の、最新のモードだということで、本当に文句の付けようがない、現時点での最高傑作。ファンとしてはどうしても初回限定盤の売り方に文句を付けたくはなるが(流石に高い)、映像もまた素晴らしいものであるし(だからこそ、広く手に取ってもらいたいのだが...)、熱心なファンでなければ通常盤のアルバムだけを聴いても満足し、圧倒されるのではないだろうか。心の底から『格好良い』と言い切れるアルバム。お薦め。
今日のアルバム。
米津玄師『BOOTLEG』
日本のソロ・アーティストによる4枚目のアルバム。2018年発表。ということで(上記参照)、アルバムも遅ればせながら聴いてみた。これまでの作品だと1st以外はあまり好きではなくて、どうにもJ-POPだとかロキノン系、というジャンルであったり資本であったり、に飲み込まれそうな危うい感じがあったのだが、今作は完全にそういったものを掌握したというか、すっかり取り込んでしまったような、畏怖さえ覚えるような懐の広さがある、と思う。昨今の世界的な流行から個人的なルーツに至るまで縦横無尽に、それでいてあくまでも自身の表現を軸にしながら構築していく。クレバーなようでいて感覚的な、掴ませない様はまさしく天才のそれ。菅田将暉や池田エライザ、といった参加面子も含め、アルバムのすべてが『いま』を代表するような一枚。ただただ名盤。
はてブロ・レインボウ
今週のお題「ホワイトデー」ということで書いてみる。在宅なりに最近は忙しくてずっと手作りできていないのだが、そこは菓子大国とかち、店のものを探すだけでも楽しいし、ちゃんと喜ばれたりする。
中古書/レコード店『リサイクルブック』に手持ちのCDとエロ本の殆どを引き取ってもらう。
断捨離の風景です(中身はエロ漫画とCD) pic.twitter.com/KJrg8dRMhf
— クローカ (@chrorograph) 2018年3月4日
断捨離の様子です(中身は相変わらずエロ本とCD)。 pic.twitter.com/0u2JIKGSiI
— クローカ (@chrorograph) 2018年3月6日
『蒐集』という行為を趣味にしてほぼ20年、時代も意識も変わり、よほどに思い入れの強いもの以外は(むしろそうであったとしても)クラウドで所持していれば(参照性も上がり)良いか、というようになった。一抹のさみしさを覚えないでもないが、新しく宝物を増やすための棚ができた、と前向きに考えていく。
ちなみに『リサイクルブック稲田店』は今時珍しくなってしまった昔ながらの古書/中古レコード店であり、おそらくは帯広一サブカルに強い店だ。近所には地元に愛されるパン屋の名店、『麦音』もあることだし、来帯の際は足を伸ばしてみても良いのではないかと思う。もう少し経てば僕のコレクションだったものも(おそらくは)店に並ぶ。
hontoにて無料だったため、高尾じんぐ『くーねるまるた』電子書籍版を3巻まで読む。藤島康介に影響を受けたと思しき筆致で都市の日常を描いたエッセイグルメ漫画、で面白いのだが、それこそ藤島康介で言うところの『パラダイスレジデンス』2巻までの天才性とは似て非なるものだな、と思ったりする。悲しいかな藤島康介自身も『パラダイスレジデンス』の終わり方とその次作を見るに、もうあんな名作は描けないであろうと思うので、あの高みに最も近い作品として期待している、などとは流石に失礼だろうか。しかしそれにしても、(繰り返しになるが)面白い。
90年代のヘヴィ・メタル熱が再燃している。きっかけはKingston Wallを聴いたこと。友人である糸田屯氏のエントリを読んで以来ずっと気になっていたフィンランドのサイケ・ハードロック・トリオだ。そのまま流れでDizzy Mizz LizzyやPride & Glory、廉価再発の報も嬉しいVoivodの90年代作などを聴いている。メタラーではないと言いつつもけっこう好きなメタルだが、特にこの辺りの作品は大好物だ。
今日のCD。
Thunderhead『Killing With Style』
ドイツのバンドによる4枚目のアルバム。93年発表。というわけで、僕にとっての90年代懐かしメタル(当然、リアルタイムではないわけだが……)といえばこちら。久保帯人が『ゾンビパウダー』単行本の巻末にて紹介していたことから知ったのだが、そのまま大好きなバンドになった。THUNDERHEADはMotorhead的な疾走感とジャーマンメタル的な歌心の幸せな結婚というか、特に今作は冒頭の「Young and Useless」を始めとして『メタル感のあるロックンロール』として最高に格好良いロックが聴けるだけではなく、バラードも名曲であり美しいのでお薦め。名盤。
はてブロの電気ロック
33歳になった。また一年、宜しくお願いします。
映画『THE COLOR OF NOISE』を観る。COWSという、僕のとても好きなバンドがいる(以前the hatch評で言及した)のだが、彼らが所属していた(という表現で正しいのだろうか)AMPHETAMINE REPTILEというレコード・レーベルにまつわるドキュメンタリー。輸入盤を観たので字幕もなく何を言っているのかわからなかったが、(主にステージ上の裸体の多さ等から)とりあえず阿呆が多かったということだけは伝わってきた。アキラ100%か。最高。
ノクターンノベルズ(『小説家になろう』内男性向け18禁エリア)巡りが楽しい。玉石混淆なのはもう承知の上で、官能小説風のものから異世界転生ものまで、ジュブナイルポルノが無料で読み放題、という天国のような地獄。Kindle Unlimitedと組み合わせたら一生分のエロ小説が読めるのではないだろうか。
末期NUMBER GIRLを聴いている。後に『記録シリーズ』にまとめられる『NUM-HEAVYMETALIC』時期のツアー音源など、本当にこの時期は格好いいし、誰からも要請されていない(フォロワーの居ない)、行き詰まってしまったが故の孤高としか言い様がない凄みがある。
今日のCD。
my way my love『The Fact Is』
日本のバンドによる10枚目のアルバム。2013年発表。ド名盤のわりに言及した覚えがなかったな、とそういえば。基本的にはエグめのギターノイズとポップなメロディ、という、わかりやすいオルタナ・バンドではあるのだが、単純にその2つの要素が極限まで振り切れている。もう本当に、『うるさくてかっこいいロック』の最上級であろうし、たとえばCoaltar Of The Deepersなんかのサウンドとも共鳴する部分があるのではないかと思う。完成された作品に一言付け足すのは難しいし心苦しくはあるのだが、それでも、多くの人の耳に触れて欲しいと話さずには居られないような作品。お薦め。