虚空の黙祷者

クローカ/黒岡衛星の日記帳

はてブロホール

33にして初めてタブレットというものを手にする。Kindle Unlimitedで『声優グランプリ』と『声優アニメディア』が読める、というのでスマートフォンよりも大きな端末が欲しかったから、なのだが、安物なのでそこまで大きくなく、若干物足りず。とはいえ、問題なく使えているし、単純に新しいガジェットを手にするのはわくわくするものだ。

津玄師『Lemon 映像盤』が届いたため、まずは付属DVDの武道館公演の模様を観る。正直、侮っていた。本当にこの人は、何をやらせても周りを圧倒するというか、時代を掌握してしまう力を持っているな、と思わされる。いまのままでも十分に凄いが、これ以上に確かなヴィジョンを持ってバンドメンバーを揃えたら、さらに恐ろしいことになると思う。

号の『CONSOMME CUBE』について準備を始める。今回はゲーム『VA-11 Hall-A』と南米文学、(ゲームに於ける)グリッチにラテン・ミュージックといったあたりをまとめてお届けする予定。まだあくまで予定だが、表紙が賑やかになると思われるのでそういった点も楽しみにしていただきたい。ポルノグラフィティ全アルバムレビューその2、も執筆中だ。

日のCD。

Plastic Tree『doorAdore』

日本のバンドによる14枚目のアルバム。2018年発表。文句なしの名盤だ。『echo』、『剥製』と、決して悪い出来ではないが地味な作品が続いた(特に『剥製』は「マイム」というキラーチューンがありながらもそれを活かせていないように思えた)のに対し、シンプルに音が太く、またメリハリや押し引きがしっかりしてわかりやすくなっており、ひとつの『ロック・アルバム』として広く勧められる出来だ。そういった意味では(過去作で例えるとするならば)『トロイメライ』と『ネガとポジ』を足したような作品、とも言えるだろうし、しかし楽器の鳴りはいかにも今の、最新のモードだということで、本当に文句の付けようがない、現時点での最高傑作。ファンとしてはどうしても初回限定盤の売り方に文句を付けたくはなるが(流石に高い)、映像もまた素晴らしいものであるし(だからこそ、広く手に取ってもらいたいのだが...)、熱心なファンでなければ通常盤のアルバムだけを聴いても満足し、圧倒されるのではないだろうか。心の底から『格好良い』と言い切れるアルバム。お薦め。

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日のアルバム。

BOOTLEG

BOOTLEG

 

米津玄師『BOOTLEG

日本のソロ・アーティストによる4枚目のアルバム。2018年発表。ということで(上記参照)、アルバムも遅ればせながら聴いてみた。これまでの作品だと1st以外はあまり好きではなくて、どうにもJ-POPだとかロキノン系、というジャンルであったり資本であったり、に飲み込まれそうな危うい感じがあったのだが、今作は完全にそういったものを掌握したというか、すっかり取り込んでしまったような、畏怖さえ覚えるような懐の広さがある、と思う。昨今の世界的な流行から個人的なルーツに至るまで縦横無尽に、それでいてあくまでも自身の表現を軸にしながら構築していく。クレバーなようでいて感覚的な、掴ませない様はまさしく天才のそれ。菅田将暉池田エライザ、といった参加面子も含め、アルバムのすべてが『いま』を代表するような一枚。ただただ名盤。

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