虚空の黙祷者

クローカ/黒岡衛星の日記帳

はてブロ・レインボウ

週のお題「ホワイトデー」ということで書いてみる。在宅なりに最近は忙しくてずっと手作りできていないのだが、そこは菓子大国とかち、店のものを探すだけでも楽しいし、ちゃんと喜ばれたりする。

古書/レコード店『リサイクルブック』に手持ちのCDとエロ本の殆どを引き取ってもらう。

『蒐集』という行為を趣味にしてほぼ20年、時代も意識も変わり、よほどに思い入れの強いもの以外は(むしろそうであったとしても)クラウドで所持していれば(参照性も上がり)良いか、というようになった。一抹のさみしさを覚えないでもないが、新しく宝物を増やすための棚ができた、と前向きに考えていく。

なみに『リサイクルブック稲田店』は今時珍しくなってしまった昔ながらの古書/中古レコード店であり、おそらくは帯広一サブカルに強い店だ。近所には地元に愛されるパン屋の名店、『麦音』もあることだし、来帯の際は足を伸ばしてみても良いのではないかと思う。もう少し経てば僕のコレクションだったものも(おそらくは)店に並ぶ。

hontoにて無料だったため、高尾じんぐくーねるまるた電子書籍版を3巻まで読む。藤島康介に影響を受けたと思しき筆致で都市の日常を描いたエッセイグルメ漫画、で面白いのだが、それこそ藤島康介で言うところの『パラダイスレジデンス』2巻までの天才性とは似て非なるものだな、と思ったりする。悲しいかな藤島康介自身も『パラダイスレジデンス』の終わり方とその次作を見るに、もうあんな名作は描けないであろうと思うので、あの高みに最も近い作品として期待している、などとは流石に失礼だろうか。しかしそれにしても、(繰り返しになるが)面白い。

90年代のヘヴィ・メタル熱が再燃している。きっかけはKingston Wallを聴いたこと。友人である糸田屯氏のエントリを読んで以来ずっと気になっていたフィンランドのサイケ・ハードロック・トリオだ。そのまま流れでDizzy Mizz LizzyやPride & Glory、廉価再発の報も嬉しいVoivodの90年代作などを聴いている。メタラーではないと言いつつもけっこう好きなメタルだが、特にこの辺りの作品は大好物だ。

日のCD。

Killing With Style

Killing With Style

 

Thunderhead『Killing With Style』

ドイツのバンドによる4枚目のアルバム。93年発表。というわけで、僕にとっての90年代懐かしメタル(当然、リアルタイムではないわけだが……)といえばこちら。久保帯人が『ゾンビパウダー』単行本の巻末にて紹介していたことから知ったのだが、そのまま大好きなバンドになった。THUNDERHEADMotorhead的な疾走感とジャーマンメタル的な歌心の幸せな結婚というか、特に今作は冒頭の「Young and Useless」を始めとして『メタル感のあるロックンロール』として最高に格好良いロックが聴けるだけではなく、バラードも名曲であり美しいのでお薦め。名盤。

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はてブロの電気ロック

33歳になった。また一年、宜しくお願いします。

画『THE COLOR OF NOISE』を観る。COWSという、僕のとても好きなバンドがいる(以前the hatch評で言及した)のだが、彼らが所属していた(という表現で正しいのだろうか)AMPHETAMINE REPTILEというレコード・レーベルにまつわるドキュメンタリー。輸入盤を観たので字幕もなく何を言っているのかわからなかったが、(主にステージ上の裸体の多さ等から)とりあえず阿呆が多かったということだけは伝わってきた。アキラ100%か。最高。

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クターンノベルズ(『小説家になろう』内男性向け18禁エリア)巡りが楽しい。玉石混淆なのはもう承知の上で、官能小説風のものから異世界転生ものまで、ジュブナイルポルノが無料で読み放題、という天国のような地獄。Kindle Unlimitedと組み合わせたら一生分のエロ小説が読めるのではないだろうか。

NUMBER GIRLを聴いている。後に『記録シリーズ』にまとめられる『NUM-HEAVYMETALIC』時期のツアー音源など、本当にこの時期は格好いいし、誰からも要請されていない(フォロワーの居ない)、行き詰まってしまったが故の孤高としか言い様がない凄みがある。

日のCD。

The Fact Is

The Fact Is

 

my way my love『The Fact Is』

日本のバンドによる10枚目のアルバム。2013年発表。ド名盤のわりに言及した覚えがなかったな、とそういえば。基本的にはエグめのギターノイズとポップなメロディ、という、わかりやすいオルタナ・バンドではあるのだが、単純にその2つの要素が極限まで振り切れている。もう本当に、『うるさくてかっこいいロック』の最上級であろうし、たとえばCoaltar Of The Deepersなんかのサウンドとも共鳴する部分があるのではないかと思う。完成された作品に一言付け足すのは難しいし心苦しくはあるのだが、それでも、多くの人の耳に触れて欲しいと話さずには居られないような作品。お薦め。

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はてブロ登場

週のお題「ゲン担ぎ」ということで書いてみる。僕自身は信心深いわけではないのだが、そういうことを気にする家で育ったというのはあり、誰に祈ってるのやらとは思いつつ、ついそういった作法をしてしまう。アイヌの神だとか神道だとか、それこそキリスト教でも良いのだが、概念としての宗教には引っかかるところがあるため、一度しっかりと調べてみたい。

捨離を決行。今月中には(一部思い入れの強いものなどを除き)部屋中のCDと本を知り合いの古書店に売る。きっかけは電気工事にまつわる部屋の掃除だったのだが、だいたい20年、半身も同じと信じて集めてきたものを処分する、というのはなかなか感慨深いというか、そんな一言では表しきれないような気持ちが胸をもやもやしている。しかし、もう決めたことだ。

っと格好良いと思いつつも正体がわからなかったFUJIFILMのCM曲が判明していた。音源などにはなっていないらしく、残念。

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のイベントが気になる。

ずっと観たかった葉緑体クラブのレコ発、それも久しぶりに観たかったchikyunokikiと、アニメ『メイドインアビス』劇伴への参加で話題になったSNARE COVER、プラス・アルファということで最高のイベントではないだろうか。

 

日のCD。

スカパラ登場

スカパラ登場

 

東京スカパラダイスオーケストラスカパラ登場』

日本のバンドによる1stフル・アルバム。1990年発表。久しぶりに地元のライブハウスに来るということで聴き返してみたが、改めてよく出来たアルバムだと思う。クラブ・ユースに留まらず、けれどお洒落なままポップに希求するダンス・ミュージック集、という難しいバランス感覚を、あくまでそうと感じさせずに飄々と聴かせる。後にライブの定番となる「MONSTER ROCK」などキレのいいロック・インストから歌謡曲のカバー、映画音楽まで幅広く、しかしその後にASA-CHANGやギムラが先導する誇大妄想的な広がり(それはそれで魅力的ではあるが)はまだない。『1stにはそのバンドのすべてがある』とは言うが本当にその通り(厳密にはメジャー1st、ではあるが)というか、スカパラの魅力を過不足なく伝えるいいアルバムだ。90年代のスカパラを聴いてみたい、という人にもお薦め。

 

日のCDその2。

Rembrandt Rays

Rembrandt Rays

 

Marmalaide Butcher x ATLANTIS AIRPORT『Rembrandt Rays』

日本のバンド2組によるスプリットep。2015年発表。寡聞にして両バンドとも初めて聴いたのだが、非常に良かった。ざっくり言うとマス・ロック・バンドMarmalade Butcherとうたものポスト・ロック・バンドATLANTIS AIRPORTという2組の楽曲が、交互に2曲ずつ、計4曲収められている。Marmalade Butcherは1曲目「降下する都市」でATLANTIS AIRPORT側のVo.であるsonezakiをフィーチュアしているのだが、これがもう圧巻というか、プログレッシヴなうたものとしてここまで完成度の高い楽曲は久しぶりに聴いた。インスト曲である「Chi-Se」(やはり『最終兵器彼女』なのだろうか)もアグレッションを最大まで上げたようなハイ・テンションな楽曲で非常に格好良い。対するATLANTIS AIRPORTはあくまでうたとしての強度を土台にしつつ、アヴァンギャルドなアプローチを仕掛けていくという印象だ。「LOVECRAFT MYTHOS」なんて楽曲もありオタク的にニヤリとさせられてしまう。普段あまりスプリットを聴かないというか、大抵はどちらかのバンドが目当て、という風になってしまいがちなのだが、(ジャケットの美麗さも含め)単純に盤として素晴らしい。お薦めだ。

youtu.be

 

日のアルバム。

歌

 

 渋谷すばる『歌』

日本のアイドルによるカバーアルバム。2016年発表。単純に驚いた。1曲目「スローバラード」の凄みたるや。僕もドルヲタのはしくれではあるので、アイドル『の割には』だとか『とは思えない』といった表現は嫌なのだが、そう思っているような人間だとしても一撃で黙らせるような説得力がある、のではないだろうか。もともと歌うことに対して真摯な人だ、とは思っていたが(だからこそのこのタイトル、なのだろうし)僕もまた、どこかで侮りがあったのかもしれない。ボーナス・トラックに関ジャニ∞楽曲のセルフ・カバーを含む全9曲、心の底から感動させられた。続編求む。

Hateblo by Daylight

週のお題「私のアイドル」ということで書いてみる。最近は関ジャニ∞の大倉くんが熱い。のだが、結局顔が良ければ誰でもいいのか、という感がありそれでいいのか自分。

北の友人が僕の地元まで遊びに来てくれた。銘菓をふるまい、焼肉、ブラック・ミュージックの流れるバー(今回の発見だった)にカラオケ・ボックスでのアイドルマスターシンデレラガールズBD、並びに『あにそんボーカル(声優が歌うアニソンが聴ける最高のやつ)』鑑賞と、短い時間に詰め込めるだけ詰め込んで遊んだ。田舎は田舎なりに楽しんでいただけたようで何よりだ。

日のCD。

コーヒーの話はしない

コーヒーの話はしない

 

ログメン『コーヒーの話はしない』

日本のユニットによる1stアルバム。2017年発表。『卓上プログレ・ユニット』ということだが、この作品、ユニットの中には様々な要素がミクスチャアされている。『ツイン・ピークス』トリビュート要素としての陰りあるオルタナ色、並びに90年代的なローファイ色。そういったものによって70年代的な(或いは、プログレ時代のジェネシス的な)プログレッシヴ・ロックを降霊していく。高度なテクニックを必要とするものの、実験音楽色を感じさせず、あくまでNHK教育的な面白さで聴かせる名盤だ。面白い音楽が好き、という好奇心のある人であれば誰にでも薦められるような、人懐こいアルバムだと思う。ライブも観てみたい。

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日のアルバム。

Kodomo Rengou

Kodomo Rengou

 

 People In The Box『Kodomo Rengou』

日本のバンドによる6枚目のフル・アルバム。2018年発表。現代日本最高のバンド、に対してこんなことを言うのもなんだが、最高傑作ではないだろうか。『Wall, Window』辺りから顕著な鍵盤の使用はより効果的になり、プログレ的なわかりやすさを伴うとともに、そういった要素がうたものとしての側面を引き立たせる結果となっており、実験的なようでありつつも人懐こいという、バンドの持ち味が最大限に伝わるような作品となっている。ジャズ・ザ・ニュー・チャプター的な伸び縮みするグルーヴ感や、ヒップホップからの影響も感じさせるフロウ、相変わらず神と戦争について歌う言葉など、様々な『らしさ』のギアが一段上がったような、化け物じみたアルバムだ。文句なしの大名盤。

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日のアルバムその2。

Infinite

Infinite

 

 Deep Purple『infinite』

イギリスのバンドによる20枚目のアルバム。2017年発表。ざっくりスティーブ・モーズ期とでも呼べば良いのだろうか、再編パープルに関してはまったくと言っていいほど聴いてこなかったのだが、ふとしたきっかけで最新作を聴いてみたところ、そのとんでもない仕上がりに感動してしまった。ベースとなるのはあくまでも現役時代のシンフォニックなハードロック・バンドとしての姿なのだが、時代そのものが何周かした結果、Anekdoten以降というか、ネオ・プログ風に聴けるようになっており、時代に即したサイバー色があくまでも現役としての力強さも感じさせる。わかりやすく『2017年のディープ・パープル』であることは間違いないのだが、いまのプログレ/ハードロック・シーンを愛する人間にも聴ける仕上がりなのではないだろうか。名盤。

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いつかのメリーはてブロ

いお年を。

人であり、製作代行業『ぴゅぐまりおん』代表であるブルーレット奥田の宅(奥田家)で忘年会をしてきた。今年観てきたYouTubeのゲーム実況をPS4経由でTVに映しつつ、ひたすら飲み食い。このつきあいもそろそろ20年になる、と聞かされ、そうか、もうそんなに経つのか、と少しばかり感慨に耽る。加齢。

題「2017年一番良かった《映画・ドラマ・アニメ》」についてということで書いてみる。やはり、『魔法使いの嫁』3話だろうか。単体でも本当に素晴らしく、美しく、涙してしまった。年々涙もろくなっているなとは思うのだが、しかしそれにしてもピンポイントで弱点を突かれた感じだ。

題その2、「2018年の抱負」ということで書いてみる。一番細かった頃ぐらいにまで痩せたい。

Linux機でPlayOnLinuxの使い方を学ぶ。steamのLinux非対応ゲームを遊びたかったため。ちょうどウィンターセール中だということもあり、『VA-11 Hall-A』を購入し動かしてみる。無事に動き一安心。

少しだけ触ったが、なるほど面白い。僕の思うゲームの楽しさ、とは少し違うのだが、これも表現、芸術としてのゲームの形だ、とは。

日のCD。

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discotortion『影切』

日本のバンドによる4枚目のアルバム。2017年発表。個人的に今年は、discotortionに圧倒された年だった。この歳になると、CDを聴いて電撃が走るような体験なんてのはそうあるものではない。日本で最も音のデカいバンドであろうCo/SS/gZ(COPASS GRINDERZ)との親交が深い、というか彼らに『爆音鬼』という看板を借りている、というぐらいの、とにかく不健康に暴力的な、ジャンクでヘヴィな鉄の音。轟音そのものであった前作と比べ、より不可解に、より蠱惑的な、歌を届けるバンドになった、という印象がある。本当に『鬼』の看板に偽りなしというか、この世ならざるものが鳴らすロックのサウンドとはこういうような、という説得力すら感じさせる一枚だ。本当に、凄い。

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日のCDその2。

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TG.Atlas『Lost In Puzzle City』

日本のバンドによる3枚目のアルバム。2017年発表。こちらもジャンルとしてはジャンク、ということになるのだろうか。鉄臭いノイズをまき散らし聴き手を圧倒する,という意味では確かにそうだ。ただしかし、今作、今バンドの特別はそこにはなく、明らかに『魔法』としか言いようのないソングライティング、バンドアンサンブル、そういったものの先に表現されている真摯なるパンク・アティテュード。だろう。聴けば聴くほどの眩惑にけいれんが止まらなくなるような、かつてロックが魔力を、妖気のようなものを発していたとするのならばこういうものなのだろう、というサウンドに取り込まれてしまった。こちらもやはり、凄い。

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余談だが、この前作はbandcampで全曲試聴できるので気になったらそちらもチェックしてみて欲しい。