虚空の黙祷者

クローカ/黒岡衛星の日記帳

はてブロ岬

き続き、来月の北海道COMITIA8をよろしくお願いします。告知告知。

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週のお題「あの人へラブレター」ということで書いてみる……とはいえ、ぱっと書くような相手は見つからない。寂しい生活をしているものよと思いつつ、平穏であるのが一番、のような気もする。関係ないがカードゲーム『ラブレター』は名作なのでもっともっと遊ばれてほしい。

ラブレター (Love Letter) カードゲーム

ラブレター (Love Letter) カードゲーム

 

 

と思い立ち、リサイクルブック稲田店へ。前々から話題にしている、帯広イチのサブカルに強い古書/中古レコードの店だ。積もる話に花を咲かせ……というほど明るい話題ではなかったものの、久しぶりに話せてよかった。単純に、こういった偏屈な店をやっているというのに滅茶苦茶いい人だ、というのがここの店主の面白くも信頼できるところで、繰り返しになるが帯広に来たら一度は訪れてみて欲しい。きっと楽しめるはずだ。最近はサエキけんぞう氏とつながりがあるらしく(サエキ氏が関連音源を卸している唯一の店だそうだ)、そちらのファンも一度は訪れるべきだろう。帯広には珍しい、お薦めのスポットだ。

日のCD。 

完璧なベスト(紙ジャケット仕様)

完璧なベスト(紙ジャケット仕様)

 

日本のロックユニットによるベスト・アルバム。1992年発表。というわけで、サエキけんぞう氏のイイ仕事に触れていきたい。こちらはパール兄弟時代の、メンバーも音楽的にも充実していた時期(そうではない時期も面白いが)に発表されたベストだということで、パール兄弟を手っ取り早く知るために最適、とのこと(曰リサイクルブック店主)。バンド形式のニューウェーブ・ポップス、という言い方はできるものの、サエキけんぞう氏の変幻自在なユーモアと窪田晴男氏の職人的なギターが光る、ストレンジでありながら高品質な楽曲の数々は今聴いても十二分に面白い。というか、最近のバンドが面白いと思ってやっているギャグの類はだいたいサエキ氏がもっとラディカルな方法で使い尽くしてしまっているのではないかとすら思う。今聴いても尚新しい、ということはないかもしれないが、『日本の面白い音楽』史に於いて押さえておいても損のない大定番であることは確かだ。

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日のCDその2。 

ジョリッツ登場

ジョリッツ登場

 

日本のバンドによる1stアルバム。2017年発表。というわけでこちらもサエキけんぞう関連音源。ジョリッツはハルメンズの記念再結成『ハルメンズX』を母体として結成されたバンド、ということで、概ね現代のハルメンズ、ということになるのだが、個人的にあまり思い入れがないので最新のバンドとして聴いた。パール兄弟や、作詞の仕事などで遺憾なく発揮されてきたサエキ氏の面白くもストレンジな感性は現代に於いてもまったく衰えることなく、かつての盟友や下の世代の才能を借りて爆発している。皮肉っぽくフレンチ・ポップスを歌う一方でゴールデン・カップスなどにもルーツのある氏のヴォーカルは独特の艶があり、ニューウェーブを何度もねじれさせたような演奏をストレートに聴かせるものとしてまとめている。サウンド面でハルメンズを思い出させるというよりは、今なお受け継がれるハルメンズの精神性をフィーチュアした、という感じだろうか。攻めの、現役の、ロック・アルバム。名盤。

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