虚空の黙祷者

クローカ/黒岡衛星の日記帳

はてブロセンターCX

週のお題「2019年上半期」ということで書いてみる。どうにかやれてはいるというか、ここ何年かのごたごたに比べると穏やかな日々といった感じだ。

らためて告知。明日の6/30(日)、札幌コンベンションセンターで行われる『北海道COMITIA10』にサークル『Survival Sickness City』(サバイバルシックネスシティ)で参加する。

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新刊はずっと出したいと思っていたディスクレビュー本。読み応えのあるものになっていると思うので、ぜひスペースI25に訪れて確認してみてほしい。音楽が好きだという人も、そうでもないという人も、ひとつ話でもしに来てくれればと思う次第だ。例によって百合やBLなどの既刊小説もあり。

成ベスト・ゲームを決めよう。『勇者ああああ』や番組で引用されていた『ファミ通』の企画を、自分がやってみるとしたらどう?という話が友人との間で盛り上がり、せっかくなのでここに書いておこうと思う。5位から1位まで、長くなりそうなので一応畳んでおく。

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雨のはてブロ筋

常気象に殺される勢い。

 

事入稿。というわけでイベント詳細を。

6/30(日) 札幌コンベンションセンター 11:00~15:00
北海道COMITIA10
スペースNo.I25、サークル名『Survival Sickness City』

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新刊は事前の告知通り、
『CONSSOME CUBE 増刊第一号 30+2枚で振り返る平成音楽(偽)史』
ということで、32枚分のCDレビューを掲載した本が出ている、予定。1冊500円。

よろしくお願いします。

 

ートチェス にドハマりした。始めたばかりなので勝てていないのだが、打ち筋の基礎を理解し始めてからまた面白くなった。DOTA 2のカスタムゲームだが、スタンドアロン化の話もあるそうでこれからが楽しみだ。

 

題『「迷い」と「決断」について』ということで書いてみる。思えばいつでも判断というものを間違えてきたような気がする。それでもそれなりに生きられるのだからまあ優しい環境に居るということなのだろう。いい年してこれ以上失敗したくない、なんてことを言う気もないのだが、まあ、いつだって失敗の味はあまり甘くはない。

 

週のお題「アイドルをつづる」ということで書いてみる。桜庭一樹に「A」という短編があり、僕自身の執筆に多大なインスピレーションを受けた。アンソロのみではなく、ああいった短編もまとめてくれないかな、と思う。

 

日のCDはお休み。

はてブロ食べちゃいました

題「特大ゴールデンウィークSP」ということで(なんだこのお題)書いてみる。家族で食事に行き、ブックオフのセールでCDを買い込み、steamでセールになっていたゲームを買い込み、同人RPGを買い、プレイし、唐突な寒暖の差に死にかけ、そろそろ連休も終わろうとしている。そういったわけでGW中はひたすら休んだり遊んだりしていたのだが、そろそろ6/30の北海道COMITIAに向けて原稿を進めなければ。今回は同人ディスク・ガイド的なものをやる予定で、初の評論島だ。どうなるか楽しみ。よろしくお願いします。

しぶりにゲーム熱が再燃。GW中にsteamのセールでいくつか国産のビッグ・タイトルを買い、DLsite.comで同人RPGなどを買う。『SEQUEL blight』という、同人エロRPG(なので気になる人は各自検索してみてほしい)が、エロがどうこうというより(いや好きだが)あまりにも面白くて今現在も黙々とプレイしてしまっている。元々著名なフリーゲーム作者だったそうで、そちらにも手を出してみたいが、このままだと無限に時間を吸われてしまいそうだ。

だでさえ普段からCDばかり買っているのだが、GWでブックオフがセールだったため、しこたまCDを買い込んでしまった。ある程度棚を絞るためによほど特別な盤以外はメルカリに出すようにしているのだが、もう少しいいペースで売れてくれたら嬉しいのだが。

日のアルバム。

アメリカのバンドによる企画盤。2004年発表。

ex-Soft Machine、GONG他のDaevid AllenがアメリカでUniversity Of Errorsというバンドを立ち上げSoft Machine幻の発掘スタジオ録音集『Jet Propelled Photographs』をリメイクしたという、ディスクユニオンをして『掟破り』と言わしめたアルバム。なのだが、ならなぜ唐突に紹介したのかというとこれが意外にも初心者向けの音源じゃないかと思うからだ。そもそものDaevid Allenという人は圧倒的に宇宙を持っている人というか、存在が宇宙みたいな人なので、たとえばGONG『YOU』であるとか、歴史的名盤を聴いてみてもなかなかその片鱗も全体も掴めず、困惑してしまいがちだと思うのだが(僕もそのひとりだ)、今作は最近の若手と組むことにより、硬質なジャズ・ロックと無限の広がりを持つサイケデリックがいいところで折衷されている。たとえばSoft Machineの近作のような懐メロ同窓会感覚(あれはあれで嫌いではないのだが)もなく、シンプルに『今様のカンタベリ・ミュージック』としてお薦めできるかっこいいプログレ、なのではないかと思う。文脈こそこんがらがっているが、だからこそ色々な『最初の一枚』として機能するだろうし、このまま『マニアックな企画盤』にしておくのも惜しいな、と思う。お薦め。

 

日のミニ・アルバム。

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MO'SOME TONEBENDER『Youth』

日本のバンドによる『レンタル限定』ミニ・アルバム。2010年発表。地味に探していたのだが、ようやく入手できた。アルバム『STRUGGLE』発表に備え、アルバム内からタイトル・トラック「youth」と、配信限定シングルであった「Bluebird is Dead」、そして5曲のライブ音源を収録したもの。個人的にライブ盤フェチだというのと、特に「ロッキンルーラ」、「BIG-S」(フリクションのカバー)のライブ音源が聴きたかったのだが、もうめちゃくちゃだ。とにかく割れっぱなし歪みっぱなしの、うねりのあるノイズ、といった音源が5曲分続く。確かに「GREEN & GOLD」は名曲だな、と思ったりはするものの、基本的にはよっぽどのファンか、『潰れたロックバンドの音が好き』というフェチ(そんないないとは思うが)以外は手を出さなくてもいいと思う。基本的には『STRUGGLE』で事足りる盤だとは思うが、面白かったので紹介してみた。よっぽどの物好きにはお薦め。

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はてブロ THE ¥5

ょっと気を抜くとこうして一月とか放置してしまうのでよくない。

題「卒業」ということで書いてみる。長谷川きよし斉藤由貴か。ガガガSPの曲も好きだった。

3/16に行われた『toilet presents SUPER RELAX 19』というライブ企画に行ってきた。以下簡単にレポートなど。

今回は出演者も4バンドといつもより少なめであり、開演から転換までキムさん(toilet)によるごきげんなDJプレイもあり、ゆったり楽しめるイベントだったと思う。本当に、ナイスオーガナイズ。としか言えない。帯広のような田舎に居ながらにしてこういった場が楽しめる贅沢。本当に感謝。

一番手、DON KARNAGE。なんだかんだで観るのは三度目くらいになるが、その度カッコ良く進化していて驚かされる。ポスト・ハードコア・バンドなのだが、極悪な刻みはBotchやConverge、Refusedなどを思わせて好み。弦楽器隊が三人ともヴォーカルを取れるというのも強みで、ただいかついというだけに終わらないエモーショナルがとにかくいいな、と改めて感じた。

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二番手はTwo layers of paint。AllとDESCENDENTSを敬愛するシンプルなメロディック・パンク。3ピースのシンプルかつ確かな技量と多彩なアイディアで、ひたすらに『楽しませる』ためのバンドというか、僕も気付いたら頭を空にして踊っていた。この時点で相当ハッピーな空間になっていた、と思う。

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三番手は今回の目当て、the hatch。アルバムが発売されてから初、しかも今回はエレクトリック・ピアノを持ち込んでのセットということでどうなるのか期待しながら観たのだが、今回も想像を超えてきた。シンプルに言ってしまうならば『ストップ・アンド・ゴー』だった以前のカッコよさと比べ『押し引き』になった、感じだろうか。全体的にテンポをぐっと落とし、ヒップホップやジャズといった今様のグルーヴをバンドの根幹であるハードコアと違和感なく溶け込ませてしまった異形のポップ。最後に4ビートのジャズ(これがまたガチに巧い)から加速して終わる展開が無茶苦茶カッコ良かった。何度でも観たいし早く次の音源が欲しい、と思う次第だ。宇宙一カッコいいバンド、という認識は変わらなかった。

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トリは今回の企画を主催したtoilet。もう何度も観ているのだが、昨年の5月、札幌の161倉庫で観たときが本当にカッコ良く(そういえばあの時もトリだった)、今回もその流れというか、元々いいバンドではあったけれどもどんどん進化しているなと感じた。ギターのキムさんからQ AND NO Uの3rdが好きだ、という話を以前聴いていて、確かにディスコ・パンク的な、当時のDISCHORDが香るのだが、そこはやはり集合体としてのバンドというか、様々な要素が溶け込んでおり、特に80'sあたりの日本のパンクを感じさせるヴォーカルが本当にパワフルで、しなやかなバンド・アンサンブルと相まって問答無用の説得力を感じさせる。これからアルバムの制作に入るそうで、楽しみだ。

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本当に、繰り返しになるが、楽しすぎた。こういう最高な夜は何度もあるものではない、と思っていたが、意外とこういう、ローカルのシーンで何度も味わえてしまえたりするので、ぜひこのエントリを読んでいる人も一度、近所のシーンを調べてみると面白い、かもしれない。いま、ローカルのビートほど面白いものはない。

はてブロの雨が降る

34歳になった。今年もよろしくお願いします。最近の思うところについてはまた、改めてnoteにでも書きたいと思う。

週のお題「雪」ということで書いてみる。もう降らんでくれ。

題「わたしとバレンタインデー」ということで書いてみる。明治『ザ・チョコレート』の新味『ジャスミンティー』が思いの外に良かった。今一番信頼できるブランド、のような気がする。そういえば今年は一度も『ラミー』や『バッカス』を食べていない。

しぶりに会った友人に勧められるままに『アズールレーン』を始めた。ロイヤルのメイドが可愛くて気になるな、と思っていたらペン姉さんにすっ転んだ。 ソシャゲはこういうことがあるから侮れない。そして楽しい。

スクトップPCを新しく購入した。主にゲーミング用途なのだが、そもそも6年ほど使い込んできたPCがスペック的に物足りなくなってきた、というのもある。ついでにデスクやチェア、クッションなども一新し、すっかり新環境といった感じだ。あとは設置箇所の関係で回線に工事が必要なため、もうしばらくWi-Fiの微弱な電波でネット環境を耐えなければならない。動画再生などに支障が出るレベルであり、もどかしい。

日のアルバム。

熱源 通常盤

熱源 通常盤

cinema staff『熱源』

日本のバンドによる6枚目のアルバム。2017年発表。正直に言ってしまうと、9mmの弟分、という印象(それもどちらかというと悪い意味での)しかなく、どうにもぱっとしないな、と思っていた時期が長かったのだが、昨年五月の札幌吉村会で観たライブがあまりに格好良く、一気にファンになってしまった。音源の方は疾走感と熱さ(ブッチャーズのカバーなどを含んでいたからかもしれないが)で魅せたライブとはまた違い、人懐こさを失わないままシンプルに、鋭さを増していく言葉と、豊富なアイデアをあくまでポップに聴かせるギターロック。パッと聴いただけで凄い、という感じではなく(少なくとも僕にとって)、高い演奏力を見せつけずに曲の良さで勝負している。ジェントルで甘口のヴォーカルにこそキャッチーさはあるものの、あまり派手にすごいバンドの名盤、という感じはなく、しかししみじみいいバンドだな、と気づけたのは本当に良かったと思う。お薦めだ。

youtu.be

ゾンビランドはてブロ

週のお題「冬の体調管理」ということで書いてみる。今冬はどうにもいまひとつ気分が乗らないというか、調子が上りきらない感がある。生活リズムも安定しない。新人賞の締め切りも近いことであるし、もう少し気合いを入れたいものだが。

しぶりにアニメを観ている。 途中まで視聴していた『邪神ちゃんドロップキック』と、『ゾンビランドサガ』をそれぞれ全話、『やがて君になる』を途中まで。どれもとにかく面白いが、特に『ゾンビランドサガ』は本当にやられた。完全に不意打ちで、僕にとって特別な作品になってしまった。上にあんなことを書いておいてなんだが、あまり腐ってもいられないな(ゾンビィだけに)、と思わされる作品だった。

日のCD。

HANADEN BLESS ALL (2nd)

HANADEN BLESS ALL (2nd)

花電車『HANADEN BLESS ALL』

日本のロックバンドによる、2枚組の2ndアルバム。1992年発表。ミュージック・マガジン企画『めかくしプレイ』でレーベル主のJOJO広重からこのアルバムについての言及があって、気になってずっと聴きたかったのだがようやく入手した。後に(ボアダムス人脈らしく)人力トランス化していくのだが、この頃はまだハードロックに類するものをやっている。とはいえこれが、ジャンク感を抜いたdiscotortionか、TG.Atlasの先祖か、という酩酊感そのもののヘヴィ・ロック。いかにもアングラ然とした姿で毒々しさを身にまとい、CD2枚にわたって長尺のノイズ・ロックを鳴らし叫び続ける様にはなんというか、薄ら寒くなるほどの情念を感じる。King CrimsonPink Floyd風のプログレッシヴ・スペーシー・サイケなアプローチなんかも乗りこなしつつ、念仏的なフロウが飛び出したりと日本ならではのロック、をこの時点で大成している。単純に「90年代の『SATORI』(Flower Travellin' Band)」ぐらいに言っても良いのではないかと思うし、とかくユニークな作品の多い日本のストーナー(風)・ハードロックの中でもとびきり『ヤバい』一作なのではないだろうか。お薦めだ。

 

日のCDその2。

ANNULAR MUSIC

ANNULAR MUSIC

DMBQ『ANNULAR MUSIC』

日本のバンドによるアルバム。2001年発表。というわけで花電車とセットで思い出したいバンドといえばDMBQ。『JINNI』を始めとして名盤、良盤が多く、(初期の特殊な作風を除き)クオリティに問題のないハードロック期だが、個人的な思い入れと構造の面白さから今作を挙げてみたいと思う。『Clockwise』、『Counterclockwise』と題されたインストを前後に配し、King Crimsonハード・ロック活用と思しき理性的かつ捻れたリフ・メイキングが炸裂する緊迫の32分。Flower Travellin' Band一派として括ることも出来るサウンドだとは思うが、ストーナーと呼ばれるジャンルが(それこそ花電車のように)スペーシーと結びつきやすく、広がっていく作品、バンドが多いのに対し、今作は特に、指向性の暴力、という単語が浮かぶユニークさがある。『I Know Your Sweet』や『Jinni』のように大曲が収録されている作品も面白いが、意外と今作から聴いてみるというのも面白いのではないだろうか。余談だが、「Magical Relation」の歌詞が羅針盤「がれきの空」に似ているのは何かあるのだろうか。ずっと気になっているのだが。

はてブロ・コムラード

と思い立ち、カクヨムを更新した。

kakuyomu.jp

kakuyomu.jp

短編賞に応募するための未発表作品と、電子小冊子にまとめていた試し読みを公開した。少しでも多くの方の目に触れ、また気に入ってもらえると嬉しい。よろしくお願いします。

ードゲーム新年会、に興じてきた。

昼食にはメンバーの手作りカレーも振る舞われつつ(インドカレーとタイカレーの2種!)、ドイツのハリボーという破壊力抜群の差し入れもあり、カナイセイジの新作『The Last Brave』はちょっと残念な感じだったが、とにかく色々と楽しい尽くしの一日だった。久しぶりに新年会らしいイベントに出た、ような気もする。

日のアルバム。 

Tonite the Singles Bar

Tonite the Singles Bar

 

Gallon Drunk『Tonite the Singles Bar』

英国のバンドによる7インチ・シングルの楽曲をまとめた編集盤。1991年発表。本当に申し訳ないと前置きしておくのだけれども、今回は固有名詞がとにかく多い。気になったら各自その名前で検索して探していただければと思う。いまは↓のようにサブスクリプションも盛んなことであるし。というわけで新年早々、最高のバンドに出会ってしまった。フロントマンがギターとオルガン、ブルースハープを使い分けるヴォーカリストで、ラフながら存在感があるリズム隊、そして専任のマラカス(!)。しかし音楽性はHappy Mondaysのようなバンドとは違い、The (International) Noise Conspiracyがだらしなくなったような、それってつまり元ネタの一つであるところのThe Make-Up(ex-The Nation of Ulysses)や、Kの総本山Dub Narcotic Studioかと思わせるような酩酊スウィンギン・パンク。TOUCH & GOに点在するThe Delta 72やMan or Astro-man?といったレトロ・ガレージ系とも繋がり、Morphineのようなイキっぱなしのサイケ感も。Jon Spencer Blues Explosionに代表される、90'sオルタナ・ガレージ・ブルーズへの回帰ムードが好きな人はもちろん、もっと荒っぽいモッズはいないのか、と探しているような人も、いや普通にThe Sonicsみたいなオリジナル・ガレージ愛してます、なんて人にも広く広く薦められる、良いバンドだ。たぶんチバ(・ユウスケ)なんかも好きそう。まだ(おそらく)現役だが、近年のリリースを見るに自主制作CD-Rで明らかに資金難ぽいのが残念だ。頑張って欲しい。

 

日のCD。

突然段ボロイド

突然段ボロイド

 

突然段ボール『突然段ボロイド』

日本のバンドによる、ヴォーカロイドを使用した2013年のアルバム。↑があまりにも最高だったので同ジャンルではなく、ちょっと変わったアルバムを。当時、『初音階段』(キング・オブ・ノイズ、非常階段が初音ミクを使用したことで話題となったアルバム)辺りからちょっとしたブームになる、80年代サブカル系ニュー・ウェーブ・アーティストと初音ミクを掛けあわせてみたシリーズ(現代の初音ミクは80年代のYMOがどうだこうだというアレだ)の中でも、かなり完成度が高いのがこれだ。要は突然段ボールの新譜でボカロが歌っているというか、突然段ボールPによるボカロ曲というか、どっちにしろ非常に親和性の高いものだ(さすがに調声は本人たちではないようだが)。当たり前かもしれないが、所謂『ボカロ曲』的なものに対する擦り寄りは一切なく、かといってボカロの声だけが変に浮いているということもない。シンプルに、『突然段ボール feat. ヴォーカロイド 2013年の新譜』としてまとまっており、これはなかなかに凄いことだ。単純に音楽性も凄く、そのナンセンスのようでいて鋭く刺してくる歌詞(これがまた平坦なボカロの声色によく合う)なんかはまさに『怖かった頃のパンク』そのものだと思うのだが、ポスト・パンクやノー・ウェーヴ、レコメンからナゴムまで頭をよぎっていく中で、ひねりを入れたPOLYSICSのようでもあったりして意外なポップ・センスがまた怖い。ラストの唐突な「O' Caroline」(Matching Mole)のカヴァに戦慄。ボーナストラックにしても意味がわからない。ボカロ側で言えばきくお氏の世界観、に少し近いかもしれない。『歌ってみた』いボカロ・ファンが好きな楽曲かはともかく、取り扱い注意の劇物としてここまでやりきったアルバムはそうないだろう。と前置きしつつ、面白いのでお薦め。

youtu.be

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