虚空の黙祷者

クローカ/黒岡衛星の日記帳

はてブロ・コムラード

と思い立ち、カクヨムを更新した。

kakuyomu.jp

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短編賞に応募するための未発表作品と、電子小冊子にまとめていた試し読みを公開した。少しでも多くの方の目に触れ、また気に入ってもらえると嬉しい。よろしくお願いします。

ードゲーム新年会、に興じてきた。

昼食にはメンバーの手作りカレーも振る舞われつつ(インドカレーとタイカレーの2種!)、ドイツのハリボーという破壊力抜群の差し入れもあり、カナイセイジの新作『The Last Brave』はちょっと残念な感じだったが、とにかく色々と楽しい尽くしの一日だった。久しぶりに新年会らしいイベントに出た、ような気もする。

日のアルバム。 

Tonite the Singles Bar

Tonite the Singles Bar

 

Gallon Drunk『Tonite the Singles Bar』

英国のバンドによる7インチ・シングルの楽曲をまとめた編集盤。1991年発表。本当に申し訳ないと前置きしておくのだけれども、今回は固有名詞がとにかく多い。気になったら各自その名前で検索して探していただければと思う。いまは↓のようにサブスクリプションも盛んなことであるし。というわけで新年早々、最高のバンドに出会ってしまった。フロントマンがギターとオルガン、ブルースハープを使い分けるヴォーカリストで、ラフながら存在感があるリズム隊、そして専任のマラカス(!)。しかし音楽性はHappy Mondaysのようなバンドとは違い、The (International) Noise Conspiracyがだらしなくなったような、それってつまり元ネタの一つであるところのThe Make-Up(ex-The Nation of Ulysses)や、Kの総本山Dub Narcotic Studioかと思わせるような酩酊スウィンギン・パンク。TOUCH & GOに点在するThe Delta 72やMan or Astro-man?といったレトロ・ガレージ系とも繋がり、Morphineのようなイキっぱなしのサイケ感も。Jon Spencer Blues Explosionに代表される、90'sオルタナ・ガレージ・ブルーズへの回帰ムードが好きな人はもちろん、もっと荒っぽいモッズはいないのか、と探しているような人も、いや普通にThe Sonicsみたいなオリジナル・ガレージ愛してます、なんて人にも広く広く薦められる、良いバンドだ。たぶんチバ(・ユウスケ)なんかも好きそう。まだ(おそらく)現役だが、近年のリリースを見るに自主制作CD-Rで明らかに資金難ぽいのが残念だ。頑張って欲しい。

 

日のCD。

突然段ボロイド

突然段ボロイド

 

突然段ボール『突然段ボロイド』

日本のバンドによる、ヴォーカロイドを使用した2013年のアルバム。↑があまりにも最高だったので同ジャンルではなく、ちょっと変わったアルバムを。当時、『初音階段』(キング・オブ・ノイズ、非常階段が初音ミクを使用したことで話題となったアルバム)辺りからちょっとしたブームになる、80年代サブカル系ニュー・ウェーブ・アーティストと初音ミクを掛けあわせてみたシリーズ(現代の初音ミクは80年代のYMOがどうだこうだというアレだ)の中でも、かなり完成度が高いのがこれだ。要は突然段ボールの新譜でボカロが歌っているというか、突然段ボールPによるボカロ曲というか、どっちにしろ非常に親和性の高いものだ(さすがに調声は本人たちではないようだが)。当たり前かもしれないが、所謂『ボカロ曲』的なものに対する擦り寄りは一切なく、かといってボカロの声だけが変に浮いているということもない。シンプルに、『突然段ボール feat. ヴォーカロイド 2013年の新譜』としてまとまっており、これはなかなかに凄いことだ。単純に音楽性も凄く、そのナンセンスのようでいて鋭く刺してくる歌詞(これがまた平坦なボカロの声色によく合う)なんかはまさに『怖かった頃のパンク』そのものだと思うのだが、ポスト・パンクやノー・ウェーヴ、レコメンからナゴムまで頭をよぎっていく中で、ひねりを入れたPOLYSICSのようでもあったりして意外なポップ・センスがまた怖い。ラストの唐突な「O' Caroline」(Matching Mole)のカヴァに戦慄。ボーナストラックにしても意味がわからない。ボカロ側で言えばきくお氏の世界観、に少し近いかもしれない。『歌ってみた』いボカロ・ファンが好きな楽曲かはともかく、取り扱い注意の劇物としてここまでやりきったアルバムはそうないだろう。と前置きしつつ、面白いのでお薦め。

youtu.be

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