『キュレーション・ミュージック』について
たまにはポップ音楽史についてまじめに書いてみようと思う。他ジャンルから来られた方には申し訳ない気もするが、興味を持つきっかけにでもなってくれれば、もっと言うならば時間つぶしになれば幸いだ。
twitterで松山晋也氏が発言していた『キュレーション・ミュージック』という言葉について、擁護してみるというか、解釈をしてみる。
ネットのキュレーション・サイトが大問題になっているけど、音楽だって同じこと。90年代以降の作品の多くが「悪くはないけど、面白くもない」ものになっちゃってるのは、それらが単なるキュレーション・ミュージックにすぎないから。当たり障りのないものほどつまらないものはない。
— 松山晋也 shinyaMATSUYAMA (@agostoshinya) 2016年12月12日
時事ネタに寄ってうまいこと言ったらんかなという気概が滑っている、というのは理解できるのだが、だからといって言っていることが的外れだとは思わないし、そこに関しては松山晋也氏という批評家としてのキャラも関わってくるように思う。
この話題に触れる以上、どうしても話が大きくなってしまうのだが、『新しい音楽』として想定されるものは、既存のジャンルに対して『混ぜる』か『読み違える』か、だと思う。
そもそもロックンロール、というジャンルがロカビリーやR&B、カントリーといった多様な素地を吸い込んだジャンルであり、『ロック』の歴史はThe BeatlesやThe Rolling Stonesの昔から『自分の良いと思ったものを体現する』という意味での『キュレーション・ミュージック』という側面がある。
一方、たとえばジャマイカでJazzを誤読、ないし読み替えたものがSKAになり、Reggaeへと発展していっただとか、ある種のパロディ/ディフォルメとしてのVenomを本気で読み込んでしまった北欧のBlack Metalだといった、辺境(と、敢えて言うが)に多いのが読み替えの新種発見だ。
松山晋也というひとはそもそもワールド・ミュージック寄りの人間、それも日本で有数のリスナー、のはずなので、思想が後者に寄る、というのは理解できるように思う。
なおかつ、80年代はMIDIによって拡張されていくTechno Pop~Technoや、サンプラーが活躍したHIP HOPといった『テクノロジーによる新たな音楽の発見』があったわけで、それらが一段落した90年代以降をより強い『再発見』ないし『リスペクト』の時代と見るのもそこまで間違っていないようには思う。
要は『サニーデイ・サービスが活躍したからネタ元であるはっぴいえんどが再発された』みたいな問題について、『悪くはないけど、面白くもない』という感想を抱くのがそこまで誤りか、という話であって、ここまで来ると好みなのではないかな、というのが僕の正直な感想だ。
また、『90年代以降の作品の多く』という主語の大きさについても、松山晋也ほど(病的に、とすら言って良いと思うぐらい)聴いている人間が発するからこそ説得力があるのであって、その点を批判できるほど我々は音楽を聴いているか?と考えたらNO、なのではないか。
繰り返しになるが、この発言は松山晋也という、日本有数のリスナーでもあるパーソナルを知らなければ批判しづらいものなのでそこはtwitterのインスタントさがあまり良い方向に作用していないな、という感じだ。
これ、どちらかというと音楽に死ぬほど詳しい人間が『つまらなくなった』って言ってるので共感しづらいよね、ぐらいの話題です。
— クローカ⊿ (@chrorograph) 2016年12月13日
※あまりに『松山晋也は音楽を聴きまくっている』としか言っていないので一応追記しておくと、たとえば(ムックにまとまっている)『めかくしプレイ』などを読むと彼の知識量とその引き出し方についてが伝わるのではと思う。
はてブロに虹が降りた
Spiral Lifeを好きになった。2000年頃、録画していた演劇集団キャラメルボックス『ALONE AGAIN』のラストに流れた『20th Century Flight』を聴い(観)て、少し経ってからのことだった。WitzというレーベルにはレーベルメイトとしてL⇔Rがいた、ということを知る。最初は、侮っていた。いかにも90年代の一発屋的なポップスだろう、と。とんでもなかった。一番売れたであろう『Let me Roll it!』には厭世観や怒りが詰まっていたし、初期のマニアックなポップの中にも確実に息づくロックの魂。いっぺんにファンになってしまった。黒沢健一、シンガーソングライターという人種の最高峰と言っていい、天才の早すぎる死を悼む。
2013年のツアーが録音録画アップロード自由で、中でもこれがすごくおすすめ 黒沢健一"Banding Together " in 梅田CLUB QUATTRO https://t.co/HhdQCjpSGB
— ヤスダスズヒト (@suzupin) 2016年12月7日
投稿。無事、太宰治賞へと送ることができた。達成感とともに自分へのご褒美という名の買い物が止まらない。駿河屋で中古CDを、ちょうど半額フェアの始まったDLsiteでインディのエロゲや淫語音声を買い込む。SKE48のビデオクリップ集も予約(時期的に自分へのクリスマス・プレゼントだろうか)。
Kindle Unlimitedで目に付いた江波光則『ボーパルバニー』を読む。スマートフォンで電子書籍、とはどういった感じなのかと体験したかっただけなのだが、あまりに面白く一気に通読してしまった。あまりにアモラルで痛快な、最低で最高のオタク・ノワール。タイトルでわかるとおりの『ウィザードリィ』トリビュート・ノヴェルなのだが、こういった解釈があるか、と膝を打つ。元々は虚淵玄の知り合いで業界入りしたと聞いて納得。続編はきちんと買って読みたい。
今日のCDその1。
- アーティスト: L-R,黒沢健一,黒沢秀樹,木下裕晴
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 1995/12/16
- メディア: CD
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L⇔R『Let me Roll it!』
日本のバンドによる8枚目のアルバム。1995年発表。世間では『セルアウトしてしまった一枚』としての評価が多く、特にファンには『そこまでの名盤ではない』と言われすぎな気がするが、そんなことはない。ヒット・シングルという枠を超え『時代を代表する』いくつかの楽曲を軸に展開される一大ポップ・サーカス。しかしその裏側には既に時代のポップとしての孤独/厭世観といったものが剥き出しになっており、ただのネアカ・ポップスにもとどまらない。苛立ちを隠さない中盤の「僕は電話をかけない」~「TALK SHOW」への流れ、そしてアルバムのラストを飾る「LIME LIGHT」はあまりに悲しい。ポップの頂点で描いた風景はあまりに哀しく、それでも美しい。どうか、永く聴かれ続ける名盤として残っていって欲しい。
今日のCDその2。
Salle Gaveau『Strange Device』
日本のバンドによる2ndアルバム。2008年発表。なんとなく、ライブで聴いた曲も無いし、と後回しにしていた本作だが、やはりというか当然というか最高だった。『プログレッシヴ・ロック meets タンゴ』として試行錯誤感が強くもポップだった1st『Alloy』、或いは『ピアソラの観た夢の向こう側』を正しく体現する3rd『ラ・クンパルシータ』と比べると本作はカオスだ。ロックともタンゴとも言い切ることができず、無理矢理にジャンルを当てはめようとするならば『アヴァンギャルド・チェンバー・ミュージック』だとかそういった曖昧さになってしまう。鬼怒無月が微妙に関わりのあるR.I.O./レコメンと呼ばれるジャンルが最も近いかもしれない。複雑なコンポーズを内包して尚、プログレ/タンゴ由来のロマンチシズムを失っていないのは三枚ともに共通するところだ。最初の一枚、ということでは1stか3rdのどちらかを推すが、結局は揃えることになるのだろうからどこから入っても良い、とは思う。現代日本の至宝であり、新譜の予定がなく、ライブもあまり行われていない様子を見ると非常に残念だ。せめて広く聴かれることを望む。
今日のCDその3。
- アーティスト: ZABADAK,Cara Jones
- 出版社/メーカー: メーカーオリジナル
- 発売日: 1999/01/27
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zabadak『音』
日本のアーティストによるソロユニットとなってから最初のアルバム。1994年発表。12/6は吉良知彦氏の誕生日ということで、少し遅いけれども触れておこうと思う。一曲目からパブリック・イメージとは違った(しかし定期的に顔を出すことになる)ニューウェーブ経由のギターロックが飛び出してきて面食らうが、後に定番となるスケールの大きなラブソング「星の約束」、『星の王子様』をモチーフにしたというミステリアスな「点灯夫」(僕がzabadakで最も愛する楽曲のひとつでもある)、Cara Jonesをフィーチュアした「fatal flaw」、吉良氏の洋楽(80's/ニューウェーブ)趣味が色濃く現れた「planet earth, I sing」と、前半部だけでも聴きどころが多い。比べると後半部はやや地味にも思えるが、むしろこちらがzabadak的に本領なのではという気がする良心的なうたばかりだ。と、どれだけ書こうともこの盤に関しては目玉である「14の音」について触れないわけにはいかないだろう。当時の周辺人脈を動員して歌われる、『音』を『歌う』ことについての根源的な問い。後に定番とする初期Mike Oldfield的大曲ながら、あくまでメドレーの伴奏に徹するトラック、個性的な歌手たちとユニークな一曲だ。『のれんわけ』後最初の一枚ということで吉良知彦というパーソナルが強く出た、zabadakのコアと言っても良いだろう作品(『かたみわけ』でも当時の録音物から参加特典が配られたという)。最初の一枚にとは言わないが(上と同じことを言ってしまった)、いつか聴いて、揃えてもらいたいと願う。
はてブロの忘れ方
脱稿。今月10日締め切りの太宰治賞に送るべくどうにか11月中に書き上げたい、と思っていたのだがぎりぎり30日に書き終えた。『インテレクチュアル・スラッシュ』という、アイドルと暴力性についての原稿用紙50枚程度の作品。MEGADETHは特に関係ない。何人か友人にも読んでみてもらいたいが、さて。
映画『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』を観る。タイトル通りの作品。すっかり感動してしまった。決して明るくないものを抱えたひと達が、変わろうとあがいた記録。僕も、あの頃本気で変わりたいと願い行動していたなら、今とはまた違った未来があったのだろうか、などと感情移入しながら観ていたら「君の名は希望」が流れてきて号泣してしまった。本当に良い映画だし、乃木坂推しの友人の言葉がやっと心から理解できた気がする。
上記に関連して、アイドルについて書きたいと思う。ログを漁ってみても良いのだが、だいたい一年ほど前だ。『インテレクチュアル・スラッシュ』のアイデアを思いつき、きちんと資料にあたらなければと思い、AKB48のドキュメンタリー映画をまとめ観した。もともとAKBオタだった妹にそのことを話すと、『マジすか学園』が面白いからとシーズン2までのDVD-BOXを貸され、一気観。すると坂道を転がるようにハマっていき、SKE48(センター役を演じていたじゅりなにヤラれてしまった)や欅坂46(ちょうど「サイレントマジョリティー」が話題になり始めた頃でもあった)といった辺りに深入りしていくことになる。気付いたら毎週『乃木坂工事中』、『AKB48SHOW!!』は録画視聴しているし、歌番組をこまめにチェックするようになった。地理的な問題で『会いに行け』てはいないのだが、時間の問題のような気がする。こうして振り返ると、一年でずいぶん深みにハマったな、という気がするが、幸せなので問題はない。当初の目標通り小説も書けたことであるし。
Kindle Unlimitedを試用してみる。とりあえず、驚くほど検索性が低く目当ての本を見つけづらいのが気になった。百合姫コミックスだとか二次元ドリーム系がけっこうあるので、それらを消費するのに月980円が適切かどうか、という感じだ。
録画してあった『細野晴臣 A Night in Chinatown 1976-2016』を観る。相変わらず細野さんというひとはつかめないな、という思い。音楽的には心からのグッド・ミュージックがいくつかのジャンルをまたいで展開されるもので、非常に充実してはいたのだが。あらためて、星野源はサイドマンとしてそこまで嫌いなわけではないのだが、ということを考えたりした。
今日のアルバム。
- アーティスト: 曽我部恵一ランデヴーバンド
- 出版社/メーカー: ROSE RECORDS
- 発売日: 2007/12/12
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曽我部恵一ランデヴーバンド『おはよう』
日本のバンドによる1stアルバム。2007年発表。細野晴臣つながり、というにはあまりに乱暴かつ焦点の定まっていない括りではあると思うのだが、いややはりサニーデイ以降の日本語(フォーク・)ロック再評価ということをきちんと踏まえつつ最近買ったら最高だったので。そもそもサニーデイがけっこう好きなのだが(ベストは『24時』だろうか)曽我部恵一BANDが致命的に合わず、こちらも敬遠していた。しかし今作にはグッときた。艶やかなサックスとピアノの音色が特徴的な、メロウネスの塊みたいなグッド・ミュージック。フォーキーであったり、サイケデリックであったり、やはりロックであったりするものの、あくまで大人の音楽(この場合の『大人』は『おとなのふりかけ』ぐらいの意味かもしれないが)としてただ耳を蕩かせる。曽我部恵一にはこういった方向の作品を求めているので、また是非ともこの名義でアルバムを作ってもらいたいが、そろそろ10年が経つのかという思いでなかなか複雑だ。
サニーデイ時代の楽曲でアルバムには未収録だが、このアレンジ、かなり好きなので音源化してくれないだろうかと願いつつ。
嘘つきはてブロとくじら号をめぐる冒険
ダンジョンタウン ~遺跡の森と夢魔の薬~(リンク先18禁)にハマっていて特に話題が無いのと、ここのところ書いていなかったので、最近聴いた音楽特集でも。
小鳥美術館『Little Museum of Bird』
日本のユニットによる1stミニ。2016年発表。この時期になるとぼちぼち年間ベストでも決めよう、という気になるのだが、今作は完全に伏兵だった。本当にごくシンプルに、アコースティックギターと女性ヴォーカルだけで成立する世界、なのだが、無駄が無いというだけではなくここまで豊かに響くのはなぜだろう。今年最も『音楽の魔法』を感じた一枚だった。特に、アコギの表現に関しては感心するばかりだ。また間隔を空けずにリリースしていただきたい。
リーガルリリー『the Post』
日本のバンドによる1stミニ。2016年発表。編成の関係で(初期)チャットモンチー風な、と形容されることが多いが、もう少し『ヘン』なバンドだと思う。楽曲こそオーソドックス、かつ高品質なギターロックだが(フックの付け方に個性があってそれも良いのだが)、どこを向いてどこから現れたのかが今ひとつ判然としない歌詞がとにかくすばらしい。何を言いたいか、はきちんと伝わるしエモーショナルなものではあるのだが、不思議としか言いようが無い。個人的に『けいおん!』で観てみたかったガールズ・バンドの姿が重なるというのもあり(放課後ティータイムはあれはあれで好きだが)、今後も気にしていきたい存在。
SPEAK NO EVIL『Dance on a Sinking Ship』
日本のバンドによる1stミニ。2016年発表。巽朗(ex-DETERMINATIONS)と元晴(SOIL & "PIMP" SESSIONS)が在籍する『Island Jazz』バンド、ということでSKAやロックステディなどジャマイカの音楽をジャズ的に表現する(或いは逆)、というバンドであり、バンド名にもなっている「Speak No Evil」の名カヴァなどまさにその好例だろう。ここで描かれているのは何度も表現されつつもあまりオーヴァーグラウンドで語られる事の無かった『ジャマイカン・ジャズ』そのものであり、たとえばMonty AlexanderやErnest Ranglinといったミュージシャン達が鳴らし続けてきたものが実を結んだ、とも言えるだろう。都市型、洗練のジャマイカン・ミュージックとして本当にすばらしい一枚だ。
巽朗『KEEP ON BLOWIN'』
日本のアルトサックス奏者による1stミニ。2013年発表。せっかくなのでこちらにも触れておこう。プレSpeak No Evil、だったかどうかは寡聞にして知らないのだが、少なくとも音楽性は確実にそうであることがわかるジャマイカン・ジャズ・ミュージック。国内外の強者を揃えて奏でられる音楽はとにかく甘く、イージーリスニング/ムードミュージック的ですらある。単純に、極上のBGMとして聴くのも間違っていないと思うのだが、その確かな技量が鳴らす音色に耳を傾けてみるのも良いのではないか、と思う。
はてブロ家のたのしい旅行 新婚地獄篇
執筆作業などもあり、更新が遅れてしまった。その間に更新した北コミ5の新製品等についてはBOOTHを参照していただきたい。
北海道COMITIA5(参加者、特にお会いできた方々お疲れ様でした)のために札幌へ。せっかくなのでその話を書こうと思う。
11/13。朝5:00という殺人的な出発時間のために3:30に起床し、4:00には帯広駅前へ。バス内は快適で、chikyunokiki『BALL』を聴きながらうとうとしていたら南千歳駅へ。特急に乗り換え、札幌駅。サークル入場までには時間があったため、先に中島公園の宿へと荷物を置き、北コミ会場へ。
北海道COMITIA5、いつもより小物/アクセサリー類のサークルが多い印象がありつつ、友達の奥方や妹などへの贈り物としていくつか買い、自分ではイラスト集、百合や少女漫画風の漫画などを買う。いつもよりは買い物できたと思うが、いつかゆっくりと回りたい。それはそれとしてスペースへと訪れてくださった皆様に重ねて感謝の念を。ありがとうございました。
閉会後はアフターに参加せず、友人M氏と音楽話をするためタワレコへ。リーガルリリー、小鳥美術館、市川紗椰といったCDを買い、その後喫茶店へ。ひたすら乃木坂ちゃんとSKEの話をした。帰ったら乃木坂ちゃんのドキュメンタリーを観なければと決意。
友人はDir en grey『TOUR16-17 FROM DEPRESSION TO ______ [mode of 鬼葬]』札幌公演を観に行くというので別れ、夕食。無性に『みよしの』の餃子カレーが食べたくなったのでそうした。レギュラーだと小盛りのカレーに餃子が3個乗っているという、300円程度のB級ファストフードなのだが、どうにも癖になる味だ。たとえば道外から観光に来た人間に薦めるような、いかにも外行きの味というわけではまったくないのだが、ソウルフード感があり、よく世話になっている。
宿に戻ると、喫茶を兼ねたロビーで宿泊客たちが談笑していたため混ぜてもらう。普段はあまりそういうことをせず寝に帰るだけなのだが、妙に盛り上がってしまった。特に名前も知らない、方々から来た旅人たちと他愛のない話を交わす。そのうちアルコールも入り、ちょっとした酒盛りのようになった。ゲストハウスならでは、なのだろうか。不思議な感じだ。
就寝。
11/14。コーヒーとトーストの朝食、のち、待ち合わせ時間までロビーの主と化し他宿泊客と雑談をして過ごす。
昼は『魔法検定』シリーズでイラストを担当してくれたうたかたさんと合流。ランチはイタリアンの店でピザを頼むも若干重い。アニメイトや書店などを流しつつ、バイトの時間だというので別れる。しばらくは難しいかもしれないが、また共同作業をしたい、といった話をする。
夕刻。ピザが効いているのか、体調が今ひとつだったものの、とりあえずTSUTAYAレンタルをひやかし(郵送返却しようか迷った)、結局はいつも世話になっているオタク通り端のブックオフへ。セール棚CDを漁っているうちに気力も概ね回復し、BLUE TONICやモダンチョキチョキズなど地味に探していたアルバムを10枚ほど買う。
宿に帰ると再び酒盛り。食欲は戻りきっていなかったためコンビニの豚汁と味付ゆで卵で済まし、缶ビールをごちそうになる。名前も知らない人に「おかえり」を言われるのは繰り返しになるが不思議な感じだ。
就寝。
11/15。前日と概ね同じ朝。ファンキーで愛すべき名も知らぬ友人達に後ろ髪を引かれつつ、出発。縁があればどこかで逢うこともあるだろうか。
特に寄り道もせず、土産だけを買い南千歳の駅へ。少し早く着きすぎてしまい、イヤフォンで音楽を聴きながらただぼんやりと過ごす。昨日ブックオフに寄ったのだから一冊ぐらい暇つぶしの本でも買ってくれば良かったな、とこういう時になって思う。昼食はキオスクのサンドイッチ。
バスで帯広駅へ。最近はこういう時に木箱『hometown』をよく聴いている。駅からさらに乗り換え、自宅へ。入浴し、就寝。
以上、余りにざっと流して書いてしまったが、とても楽しい旅行になった。次もまた来札は北コミだろうか。楽しみだ。
はてブロえくすぷろーら
遅くなってしまったが、告知。
11/13(日)、ホテルさっぽろ芸文館で行われる北海道COMITIA5にサークル参加する。スペースは『J03』、サークル名は『Survival Sickness City』。新刊は魔法検定シリーズの完結編となる長編。とは言いつつ読みやすい長さで前後のつながりなども無いので気楽に手に取っていただければ幸い。よろしくお願いします。
フリーゲーム『箱庭えくすぷろーら』にドハマりする。
クォータービュー型ARPG、ということだが全体的には軽量化した聖剣伝説LOM、という印象がある。そのぐらい言って良い完成度。パロディ色など、ストーリーまで軽いのは好みが分かれるところだろうか。何より美麗なグラフィック(ちょっとDLsite.comのドットものエロゲみたいだ)とクセになる操作感が最高。やりこみ要素まであるということで、しばらくは取り憑かれることになりそうだ。
妹が遊びに来ていたので、コーヒーを淹れて録画してあった『シンフォニック・ゲーマーズ ~僕らを駆り立てる冒険の調べ~』を観る。ゲーム音楽のオーケストラアレンジ、というのはどうにもピンと来ないというか、そもそも僕はオーケストラ音楽が苦手なのだが、なんだかんだ楽しめた。どちらかといえば妹との思い出話に花が咲いたという方が強いからかもしれない。しかし『クロノトリガー』のアレンジなどは流石に涙腺を刺激された。こうして人は懐メロに堕ちるのだな、という感慨。
今日のアルバム感想はお休み。
はてブロ対戦の前夜
はてなブログ5周年ありがとうキャンペーンお題第1弾「はてなブロガーに5つの質問」ということで答えてみる。
1. はてなブログを始めたきっかけは何ですか?
詩の置き場所として(その頃は名前も違った)。
2.ブログ名の由来を教えて!
3.自分のブログで一番オススメの記事
4.はてなブログを書いていて良かったこと・気づいたこと
書き続けていたら意外なところから友達ができたり、あと純粋に日記をつける、という習慣が楽しいという感じ。
5.はてなブログに一言
なんだかんだで愛着のあるフォーマットです。これからも長く続いてくれますよう。
訳あって文字通りの自宅警備員として過ごしていた最近なのだが、家事手伝いとしてのスキルが上がったのを実感。ふと昔プレイした『プリンセスメーカー ゆめみる妖精』を思い出す。自分にとって特別な一作であり、予定されているというsteam配信が楽しみだ。
steamといえば久しぶりにいくつかゲームを購入する。愛着がある『海腹川背』シリーズ3本と、妹に薦められていたレトロ風ベルトスクロールアクション『ファントムブレイカー:バトルグラウンド』、気になっていたデジタルボードゲーム『100% Orange Juice』といったあたり。気軽にプレイできる、キャラの可愛い作品を購入できてかなり嬉しい。
録画してあった『京都音楽博覧会2016』特番を観る。くるりってこんな良かったか、と再確認させられる。オーケストラと共演した「ブレーメン」が特に良かった。もうちょっと聴きたい曲はあったものの、コラボなどもきちんと観られたし概ね満足だ。
今日のCD。
The Best Of Bill Evans On Verve
- アーティスト: Bill Evans
- 出版社/メーカー: Universal Music LLC
- 発売日: 2004/03/01
- メディア: MP3 ダウンロード
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Bill Evans『The Best of Bill Evans on Verve』
アメリカのピアニストによるVerveに残した録音をまとめたベスト・アルバム。1995年発表。彼のような偉人に対して僕のような人間が何をいまさら、と気後れしてしまいそうなのだが、あまり言及されにくい(彼にしては、だが)Verve期の録音であるということ、ベスト・アルバムであること、何よりジャケットがクール、なので取り上げてみた。いちどは(おそらく飲食店などで)誰もが意識・無意識的に耳にしたことがあるであろう彼のピアノだが、とかくリリカルといった形容がされがちだ。しかし、(故・中山康樹氏の言葉を借りるならば)Bill Evansというのは『格好良い』ピアノを弾く人であり、それは生涯通してそうなのだが、特にVerve移籍後の音源にはそれが伝わりやすいよう残されている、と思う。決して懐メロ的アーティストというわけではなく、かように今様なジャケットと、それに負けないだけの内容で聴くことができる。INO hidefumiなども大いに影響を受けたであろう「Love Theme from Spartacus」や、誰もが知っているテーマが楽しい「Santa Claus is Coming to Town」、定番と言って良い「On Green Dolphin Street」、「Someday My Prince Will Come」、「Autumn Leaves」といった楽曲など、ピアノ・トリオのイメージが強い彼の様々な編成の録音が楽しめる、安価でありながら贅沢な名編集盤、だろう。ジャズの廉価コンピレーションはそれこそ懐メロ的というか、手元に置いておきたくなるようなものが少ないのだが、今作に関してはアート・ディレクションも素晴らしい仕事をしている。とかく『アルバム単位で聴け』と言われがちなジャズの世界だが、たとえば入り口はこんなCDからでも良いのじゃないかと、僕なんかは思う。
よりディープに彼のことを知りたい、というようになればこの2冊がお薦めだが、現在は絶版らしい。氏の評論では『マイルスを聴け!』がより有名だが、こちらも負けていないというか、読ませ、聴かせる力のある名著だと思う。少々、というか分厚いが、カタログ本なので分量はそこまでではないし、文章も読みやすくシンプル。中古書店や図書館などで見かけたなら迷わず手に取ると良い。