虚空の黙祷者

クローカ/黒岡衛星の日記帳

荒野ニオケルはてブロ

くなってしまった。札幌旅行について書こうと思う。

4/8。Dream Violence Vol.32というライブ・イベントが19:30から札幌SOUND CRUEというライブハウスで行われ、しかも翌日同会場では昼からzArAmeがフリーライブをするというので行くことに。バスと列車を乗り継いで南千歳経由で札幌駅へ。と思ったら白石の辺りで線路の点検が入り待たされる。余裕を持って移動してはいたものの、現地の友人との合流に遅れてしまった。というわけで宿にチェックインし、久しぶりにDOIMOIを観たい、という友人のM氏と合流。タワレコを多少ひやかし、会場へ。テレビ塔の近くにあるSOUND CRUEはいかにも昔ながらのライブハウスといった感じながら、とてもピースフルな空間だった。イベントの主催であるDischarming man蛯名氏の人徳かもしれない。前述の通り開演が19:30と遅めだったため必然的に終演も終電間近であり、M氏と別れ宿へ。夕食はコンビニで買って済ませてしまった。今回の旅行はそればかりだったように思う。

4/9。引き続きM氏とライブを一緒することになり、現地集合。チェックアウトに遅れそうになり、慌てて飛び起き用意をし、そのままライブハウスへ。と思ったら早く着きすぎてしまい、せっかくなのでテレビ塔で土産を物色。塔内3F、土産物コーナの景観が好きだ。3Fまでなら無料で入れるというのもありがたい。zArAmeはもっと怖い人達なのかと思っていたが、とてもフレンドリーな感じで一安心(蛯名氏同様、実際には死線を越えてきている人ら、だとは思うのだが)。ドリンク・チケットでシャンディ・ガフを初めて飲んだのだが美味しかった。終演後はM氏とサンドイッチの名店『さえら』に行き、4丁目のツタヤでCDを大量に借りる。M氏と別れ、帰路へ。遅れると洒落にならないので早めに南千歳の駅へ向かい、無事に帯広まで帰ることができた。

ライブレポにも書いたが、音楽漬けの2日間だった。物販ではDischarming manの『ダメージド/マイウォー』(最新音源。7inch.ダウンロードコード付)と『Dream Violence』(dOPPOとのスプリット盤)、水玉さがし『レイトショー』(16'発表最新作)、ioueee『ioueee』(DOIMOIギター杉山氏ソロ。CD-R)、zArAme『COLD e.p.』(今のところライブ会場限定のシングル)といった辺りを購入した。どれも素晴らしく、帰ってからもしばらくは余韻に浸ることができた。どのバンドについても、また、出来るだけ近くに観たいと思う(DOIMOIは遠方なので難しそうだが……)。

日のCD。

歓喜のうた

歓喜のうた

 

Discharming man歓喜のうた』

日本のバンドによる4枚目のアルバム。2015年発表。とにかくフロントマン蛯名氏の強烈な存在感、そしてそれを支える美しく澄まされたバンド・サウンドが印象的なバンドだ。過去に在籍/プロデュースで関わった故・吉村秀樹eastern youthなどの札幌のシーンを想起させるものからどこかギターポップ的な爽やかさまで振れ幅は広く、しかし日常の中にある悲しみと陰りを描いた歌詞世界と唯一無二の歌心によってまとめられ、不穏であったり刺さるような言葉がすっと入ってくる、ある種の怖さを湛えた音楽。メンバーがある程度流動的であったり、リリースする度にその都度のベストを求めて音楽性を変えていくバンドであるため今作がベスト、というわけではないかもしれないが、バンドの、シーンの、日本で鳴らされるべき音楽に於けるひとつの金字塔として記憶されるべき作品、だと思う。お薦め。

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悩み多き者の往くはてブロは

り急ぎ、というには遅くなってしまったが、4/8,9に札幌SOUND CRUEで観たライブの感想を書いていきたい。

水玉さがし。去年出たという『レイトショー』のトレイラーを聴いた限りだとピンときていなかったのだが、とても良かった。ピアノ兼ヴォーカル/ギター/ベース/ドラム/アコーディオン兼トランペットで奏でる、プログレッシヴ(≠プログレ)な歌謡曲乱暴に薦めてしまうのならば『クラムボン化したEGO-WRAPPIN'』というところか。いやしかしその2バンドと同等かそれ以上のものを持っているバンドだったと思う。大人のおしゃれを感じさせるバンドだ。

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DON KARNAGE。真っ当に、と言ってしまうには語弊がありそうだが、格好良いハードコアパンクだった。縁あって最近こういったジャンルのバンドをしこたま観ているのだが、演奏は上手いし、伝えること、に対して真摯だな、と思う。メタル的なフレーズでまんまとブチ上がる。

 

DOIMOI。噂は聞いていたが、去年に奈良で観た際よりも相当に仕上がっていた。より筋肉質なサウンドというか、メタル・バンドとして正しく在ろうとしている感じ、というか。今回は他バンド/客ともにDOIMOI歓待(もしくは迎撃)ムードということで長めのセットであり、大好きな「カレンダー」を聴けたのが嬉しかった。

 

Discharming man。ブチのめされた。フロントマン蛯名氏の、『世界に対するまっすぐさ、純真さ』のようなものが感じられ、それなりの数ライブに足を運んでいる僕が久しぶりに出会った『魂が音楽の色をしている』人だ、という思いで涙腺を緩ませながら観ていた。誤解を恐れずに言うのならば、とても怖い人。だからこそ、信頼できる。

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翌日、同所にてzArAme。札幌ハードコアの重鎮(蛯名氏もそうなのだが)らしい、それでいてきちんと今を感じさせる貫禄の音。あまりの轟音(イヤープロテクター有りでもかなりのもの)が信念を持って鳴らされている、というのがきちんと伝わってきて胸に詰まる。

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とにかくすばらしい音楽に漬け込まれた最高の二日間だった。当日に購入した音源やそれ以外の話は改めて書きたい。

ロロナのはてブロ

PS Vita用ソフト『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣』スペシャルコレクションボックスGS最強コンボセットが届く。せっかくだからと一番高いやつを注文してみたが、えらいことになった。

ゲーム本編はどうしてもPS4の作品を無理矢理Vitaで動かしているような重さがあるものの、決してつまらなくはない。せめてPS3でプレイしたかった、と思ってしまうのだが,そこは仕方ない。

幌SOUND CRUEにて4/8に行われる『Discharming Man水玉さがし+DON KARNAGE+DOIMOI』を観に行く予定。DOIMOIの仕上がりが良い感じらしい、というのと(もしかしたら新曲も?)他の面子も気になるばかりで最高のイベントの予感がある。特にDOIMOIはこの機会を逃すと滅多に北海道に来ないと思われるので、全道民総出で迎えたい。

日のアルバム。

Dialectic And Apocalypse

Dialectic And Apocalypse

 

DOIMOI『Dialectic And Apocalypse』

日本のバンドによる2ndアルバム。2009年発表。というわけで来札前に振り返りたい。1stの感想はこちら。DOIMOIは『自称カリフォルニア発名古屋永住系ナード・メタル・バンド』という、エモと、グランジを取り込みつつ足場はメタル、といった不思議なバンドだ。とはいえ、そういったルーツの不思議さに反してというか、出音は非常にまっすぐな、『ロックバンド』や『ロック』というジャンルのど真ん中ではないか、と思う。様々な文脈が交差する真ん中で、ただ良い曲、良い声、格好良さ、を届けてくれるバンドだ。これまでにリリースされている3枚のアルバムはどれも名盤だが、個人的にはこの2ndを特に推したい。次作でMVが作られた「円群」も名曲だったが、「小鳥」や「カレンダー」といったザッツKing's Xサウンドな楽曲がとにかく泣ける。Bruce Dickinson『Skunkworks』を彷彿とさせる「エクソダス」や次作でリメイクされた「オリンピック」もこちらのバージョンが好きだったりする。とにかく、こちらが一歩引いてしまうくらい真っ直ぐなヘヴィネス、エモーショナルの貫きがいっそ心地よいアルバムであり、名盤であるからしてもっと聴かれて然るべきであり、来札は全道民で迎えたい。

Red Hateblo Day

日に引き続き帯広MEGA STONEにてA Quiet Evening Presents "Red Letter Day vol.7"を観る。例によって以下簡単なレポート。

REAL SHOKS MATTER。この日も一番手はこのバンド。ハコの出音がだいぶワルい感じになっていて良かった、というのと、MCがふるっていたためかなり好印象。地元で愛されているバンドだな、というのを実感する。

evios。詳しくないのだが初期envy的?なポスト・ハードコア。こちらも出音が凶悪で、今日はそういうイベントか、という実感を得る。正直、ポスト・ハードコア・マナーみたいなものからあまり外れるようなものではなかったものの、単純にカッコ良かった。

メリープ。二昔くらい前のロキノン系ギターロック、という感じで非常に懐かしかった。まだまだこれから、だと思うので頑張ってほしい。

anthology three chord。極東最前線系、特にbloodthirthty butchersからの影響大ながら、リズム感などがアップデートされた印象のバンド。これぞ北海道、といった歌心に胸が熱くなる。Dinosaur.JrのTシャツを着ているギター氏の暴れ方がこれまでのバンドとはまた違ったカタルシス大なもので興奮させられた。

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TURNING CENTER。親切なリフと馬力で押す、メロディック寄りのエモ。渋好みかな、とは思うものの、非常に格好良かった。bandcampでデモ音源が投げ銭(Name Your Price)でダウンロードできるとのこと。

A Quiet Evening。なんだかんだ観るのは三度目くらいになると思うが、本日堂々の主役、といった存在感が流石だった。あらためて表現のぶれなさ、声の良さなどに感銘を受ける。

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前日に比べると収穫、という感じではなかったものの、楽しい、良い時間を過ごせた。やはりライブを観るのは楽しいし、それが良いバンドであるなら尚更だ。久しぶりの充実した連休であったことよ。

Hateblo Will Be Worse

広RESTにて "Tommorow Will Be Worse vol.06"を観る。開演17:30、終演23:00超と長丁場だったが楽しめた。以下簡単に(といっても出演数の関係で長くなるが)レポート。

REAL SHOCKS MATTER。相変わらず少し苦手なバンドだ。ちょいハードめなメロコア、といった感じで、いまひとつノり方がわからない、というか。しかしGt./Vo.の人柄の良さがなんともほっこりするため、いいバンドなのだろうとは思う。

Two layers of paint。こちらも基本的にはメロコアなのだが、サーカス的なクルクル感(?)のようなものが楽しかった。勢いに乗って楽しそうに弾くベーシストがダニエル・ジョンストンTを着ていたため、「Tシャツ最高スね」と声をかけ、音源を買い求める。SUB POPの話などで盛り上がる。オタクはいつもこうだ。

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FAAFAAZ。神戸から来たシークレット枠。MOTORHEADの血筋も感じるハードコア・パンク。とても格好良かったのだが、3ピースのパンク・バンドばかりを聴いてきて若干の胸焼け。

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MAPPY。事故なのか平常運転なのか、あれが普段だったとしたら凄すぎる……。ポーズとしての狂気、みたいなものはロックを聴いていれば比較的遭遇すると思うのだが、このバンドに関しては本気で薄ら寒くなった。音源は普通なのだけども……。

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chikyunokiki。今回の目当て。ROTH BART BARONと来帯した際はとにかく衝撃を受けたばかりだったが、今回は冷静に観られた。本当に凄い。特にドラムが声を失うぐらい上手いのはやはりJTNC以降、ceroSuchmosあたりと同時代であることを感じさせつつ、今回は特にテクノを感じさせるアゲ方をしてきた。「Select Section」、新曲2曲、「Shiny Shiny 2&3」と短めのセットだったが今後に期待できるものだったし、何よりも久しぶりに生で観ることができただけで嬉しい。できるだけ早くフルセットをしっかりと観たい。いくらでも大きくなってほしい、本当にいいバンドだ。

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INQ.。1DJ1MCのヒップホップ・ユニット。良くも悪くも、と言ってしまうのはいささか気が引けるが、とにかく真っ直ぐさが現れた誠実なステージングだった。再び人柄にほっこりする。

the hatch。今回の収穫。Gt./Ba./Dr.、と真ん中に鎮座したトロンボーンが開演前から期待を煽る。おそらく影響を受けているということはなさそうなのだが、クルクルとパンク風に軽くなったCOWSみたいだ、などということを考えてしまった。カオティック・コアを脱臼させるかのごとく鳴り響くトロンボーンのまぬけ格好良いこと。最高すぎて思わず音源を買い求めてしまった(7曲入りのダウンロードコード付きガム!)。

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名前が聞き取れなかったのだが、飛び入りの青春エモといった感じのバンドが数曲演奏。ノーコメント。

toilet。先日も観た、というのもあり衝撃は薄れたのだがやはりその表現の真摯さ、特異さは地元が誇るもの、といった風格があり格好良いものだ。Gt.にして今回の主催であるキム氏が感極まった様子で企画の盛り上がりを感謝していたが、確かに昔と比べても豊かでユニーク、単純に面白いシーンになってきたと思う。

 

と、計9バンドも出たため流石に多く、ショウケース的な観方になってしまったのは仕方がないか。通して良かったと思うが、特にthe hatchに関しては今度もっとしっかりと観たいと思わされた。次回もできれば参戦したい。

はてブロの恩返し

度手放していた瀬口たかひろオヤマ!菊之助』を買い戻す。一度手放した理由もなんとなく思い当たらなくもないのだが、それにしてもずっと後悔していたため。全25巻、新書サイズとはいえかなりかさばる。本当は、届くまでに本棚を片付けたいと思っていたのだが。

田メルつながりということで、既に予約済みの『BLUE REFLECTION』が届くまで『トトリのアトリエ』に手をつけたのだがめっぽう面白い。『エリーのアトリエ』で時間が止まっていた人間としてはその進化ぶりにカルチャーショックを通り越して浦島太郎だ。こんなにも快適、かつプレイしやすい難易度になっていたとは。トトリの声優が名塚佳織だというのも含め、かなりお気に入りの作品になりそう、なのは良いのだが、ブルリフがそっちのけになってしまないか、少し心配だ。

局クリアしていなかったな、と思いライアーソフト『Forest』を再インストールする。『月刊メガストア 2014.01』に収録されていたものだ。いまプレイしても古くさくない、という感じではないが、どちらかと言うと圧倒的なオリジナリティ、オンリーワン性で迫ってくるためあまり気にならずにプレイできる(UI周りはしょうがないが)。しかし、意味のわからないゲームだ。褒めている。雰囲気だけ、と言い切るにはあまりにも纏うものが不穏というか、力強すぎる。あらためて、きちんと最後まで見届けたい。

ワイトデー。諸事情により現在キッチンが占有できないため、柳月や六花亭の菓子を贈ったのだが、本当は久しぶりに、きちんとした菓子を作りたかったなあという思いがある。リベンジしたい。

日のCD。

BOB

BOB

 

KILLING TIME『BOB+5』

日本のバンドによる1986年のデビュー・シングルが2005年にCD化する際にボーナス・トラックを加えたもの。悲願の、という気持ちだ。ついにKILLING TIMEのボックス・セットが出る、再発の際に買い逃していた今作や、さらには未発表のライブ音源つき、ときた。KILLING TIMEというのはちょっと困ったバンドというか、入手も難しく、音楽性も説明しづらく(フュージョンのようでも、プログレのようでも、ブラジル音楽のようでもあり、そのどれでもない)、とにかく『ヘン』で『ポップ』で『カッコイイ』、不思議そのものと言っていい存在だ。セッション・ミュージシャンの本気の遊び、にしては少しばかり壮絶に過ぎるというか、どこか偏執さえ感じるミュージシャン・シップ100%の音楽、斜め向こうのユーモアなど、本当に掴ませない。正直、どの音源でも手に入るのならば一度聴いて衝撃を受けていただきたいのだが、今回『BOB』を紹介したのは単純にこれまで持っていなかったから、というのと、表題曲が(いちおう)代表曲ということになっているようなので。「BOB」はベスト盤には前半部のみが収録されており、初めて聴いた後半部の圧倒的な格好良さに(思い入れもあり)すっかり陶酔してしまった。普段であれば(少なくとも中古で)入手しやすい価格帯のお薦めできるCD、というのを紹介しているのだが、今回に関してはプレミア価格の商品で申し訳なく思う。とはいえ、KILLING TIMEの遺した音源の殆どは前述のとおり今回『ULTIMATE KILLING TIME』という、ボックス・セットとしては安価なものにまとまったというのもあるし、今回の件で昔の盤が値崩れするのであればそちらをあたってみるのもいいだろう。とにかく、あまりにも突き抜けた音楽であり、これがバンド名の通り暇つぶしだというのなら究極のそれ、だろう。この機会にきちんと再評価されることを望む。

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豆腐はてブロ

週のお題「カラオケの十八番」ということで書いてみる。歌うのは好きなのだがもともとあまり上手くないので、モノマネなどをして場を濁しがちなのだが、ガチで歌うとなるとなんだろう、サニーデイ・サービス「雨の土曜日」など若干しゃらくさいレパートリィかな、と思う。

回のお題「卒業」ということだが、橋本奈々未さんの乃木坂46卒業&芸能界引退、以外に何の話ができようか。つらい。

生日プレゼントとしていただいた『戦国コレクション』北米版DVD-BOXの中からまずは八話を観る。オムニバスながら通して好きな作品なのだが、特にこの話は僕にとって特別というか、あまりにも衝撃的だった。視る者/視られる者、について衒学と寓話で語る25分。あとは18話も好きなのだが、あまりに悲しい話なので観るのには気合いが要りそうだ。

ラマ『豆腐プロレス』を最新6話まで観る。所謂?AKBもののドラマだが、相変わらず百合厨としての見所も多く、また単純にスポコン/格闘技ものとしてよく出来ている、と思う。ハリウッド珠理奈が雄叫びを上げるシーンで思わず泣いてしまった。格好良すぎる。

Steam版『シャドウバース』に手を出してみる。面白い、のだが勝てない。最早M:tGで鳴らした過去もどこへやら、と言いつつ元々強くはないのであった。

くつかの要因が重なり、カクヨムでの連載を凍結した。主な理由としては新人賞への応募に専念したい、というもの。同人は動かすつもりでいる(既に次回の北海道COMITIAの予定がある)ものの、ネットでの活動はしばらくおとなしくなりそうだ。

日のCD。

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Phil Woods, Michel Legrand and Orchestra『Images』

アメリカのサックス奏者とフランスの楽団による共演盤。1975年発表。こちらもほぼジャケ買いなのだが、フィル・ウッズミシェル・ルグラン両者ともわりと好きだというのもある。基本的な内容としてはいかにもフランス、パリといった感のゴージャスなビッグ・バンドの上でアルト・サックスが自由自在かつメロウに歌うというもの。かなりイージーリスニング色が強く、あまりスリリングさだとか深みといったものを求めてはいけないような気がするが、質は高い。そして何よりラストに配されている表題曲。両者、楽団すべてがミュージシャン・シップ、ジャズメンとしての矜持を炸裂させたかのような14分にわたる大曲が展開されており、壮絶。この1曲のために買っても良い、とまで言い切ってしまおう。フィル・ウッズにはどうしてもヨーロピアン・リズム・マシーンと組んだ時のような苛烈さを求めてしまいがちだが、今作、特に表題曲で見せるしなやかさもすばらしいものだ。どちらかといえばミシェル・ルグランのファン向けではあると思うが、ひとつの(BGMにおさまらない)グッド・ミュージックとしてお薦めだ。

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