虚空の黙祷者

クローカ/黒岡衛星の日記帳

Information

岡衛星(筆名)公式tumblr『クロノグラフになれなくて』はこちら。直近のイベント参加告知なども。

販用BOOTH展開中。

survivalsickness.booth.pm

現在扱っているのはサブカルチャー・ファンジン『CONSOMME CUBE』2冊、『百合姫』風の小説『かくれんぼか 鬼ごっこよ』、『百合/殺伐/音楽』のショート・ショート『Survival Sickness Demo Tracks Vol.01』、小説『あたらしい魔法e.p. 丙種魔法取扱者』、続編の『つづく光e.p. 乙種魔法取扱者』、『おわらない、 e.p. 甲種魔法取扱者』(最新作)それぞれ書籍版/DL販売(同内容)と、おかげさまで物理書籍は完売した『カレンダーガール』、『ガールズ・ワールズ・レコーディングス 黒岡春日作品集』のDL販売。試し読み用の無料デジタル小冊子『Survival Sickness City Sampler vol.01』もダウンロードできる。

逆行のはてブロ

2017年ベスト・アルバム。特に意味なく13枚。楽曲編はこちら

 

JOURNEY

JOURNEY

 

Anthology Three Chord『Journey』

今年はbloodthirsty butchersをきちんと聴こう、と思った一年だったのだが、きっかけはこのバンドだった。ざっくりと『整頓されたブッチャーズ』と表現してしまうこともおそらくは可能なのだろうが、優れたソング・ライティングとシンプルでいて胸を打つメッセージはちゃんと今を生きるバンドとしての誇りを鳴らしている。これからも楽しみな、いいバンドだ。

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discotortion『影切』

今年は地元である北海道のシーンをあらためてきちんと聴こうとした一年だったのだが、1つのバンドに触れるたびに衝撃を受ける、という感じで大変だった。中でもdiscotortionは『うるさいロック』の解答をいきなり突きつけられたような衝撃があり、とにかくカッコ良かった。大手流通を介さず、過去作が入手しづらくなっているということもあり、入手できるうちに買っておきたい。

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TG.Atlas『Lost In Puzzle City』

いかに地元のバンド、シーンが豊穣であるか、ということを思い知らされたバンドの一つ。70年代的な色気を残したままポストパンク的に鳴らされるサウンドだとか、強いて似たものを探すとしたらFRICTIONになるのだろうか、とは思うのだが、もっと本当に、どこから来てどこへ行くのかわからない緊張感がある。こちらも大手流通を介していないため、入手は早めにしておくと良い。

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すげーすげー

すげーすげー

 

髭『すげーすげー』

10曲28分、というランニング・タイムとアルバム・タイトルがすべて。と言い切ってしまいたくなるようなアルバム。すげーすげー格好良い、疾走感のあるギターロックが詰まっている。

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ぼくたち わたしたち(DVD付)

ぼくたち わたしたち(DVD付)

 

BUGY CRAXONE『ぼくたち わたしたち』

いまのモード、の完成形かな、と思う。かつてのギラギラしたロックンロールとは形を変え、あくまでも生活に寄り添った泥臭い音楽を格好良く届けてくれる。そういったスタンスはどこかフラワーカンパニーズのようでもあり、札幌という土地の持つ熱気そのものでもある。

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NEO

NEO

 

Tango-jack『NEO』

タンゴという音楽がいかに『ヤバい』か、がポップ・リスナーに伝わっていないことを嘆かずにいられない。小松亮太によるAstor Piazzollaを中心としたモダン・タンゴ・プロジェクトに留まらず、Diego Schissiなどに代表される現代のタンゴは近年話題になったAntonio Loureiroなどの現代ジャズ/ブラジル音楽ともリンクするだろうし、Salle Gaveauのようにプログレッシヴ・ロックの暴力性とともにポスト・タンゴを目指そうという動きもあり、そのどれもが恐ろしいまでに魅力的だ。菊池成孔率いるオルケスタ、ペペ・トルメント・アスカラールのバンドネオン奏者である早川純によるこのバンドもまた、アルバム・ジャケットそのままのシャープさでもって迫ってくる、珠玉のポスト・モダン・タンゴだ。指先、音の神経の隅々までがコントロールされた格好良さは他のジャンルではあまり味わえないもの、だろう。

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the hatch『$NAOMI$』

札幌の狂えるバンド、the hatchの7曲入りダウンロードクーポン付フーセンガム。形骸化していない『カオティックコア』って本来こういうことだよな、という、真に自由なパンクが堪能できる。本音を言ってしまうとライブの方が3億倍くらい格好良いのだが、音源の時点で普通のバンドより遙かに格好良いのだから仕方ない。その上この音源に関しては既に入手困難となってしまったが(何せガムであるし)、下記リンクから3曲の再録がダウンロードできる。

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松井恵理子『にじようび。』

本当に2017年のリリースなのか、と疑いたくなるほどに20年前の自分、にクリーンヒットした作品。なので当時の声優ポップスに縁のない人がどういったリアクションを返すかはわからないのだが、しかし丁寧に作られた清涼感のあるガールズ・ポップ集だというのは間違いない。松井恵理子の歌唱は決してうまいわけではないが、しかしラスト・トラック「声」に現れるエモーショナルは彼女にしか表現できない、真にオリジナルなものだ。時代に要請されているかはわからないが、名盤であることは間違いない。最高。

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螺旋の刻印

螺旋の刻印

 

オオフジツボとリタ『螺旋の刻印』

アコースティックであり、収録時間もコンパクトな作品ではあるが、今作に込められているメッセージ、たましいの形、のようなものは濃密であり、聴き手をとらえ、涙させる。喪ってしまった存在、遺していったもの、引き継がれていくもの、人の営み、といった大きな、そしてどこまでも内省的な物語を封じ込めた一枚だ。

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ALICE ~SONGS OF THE ANONYMOUS NOISE~<初回仕様盤> (2枚組)

ALICE ~SONGS OF THE ANONYMOUS NOISE~<初回仕様盤> (2枚組)

 

TVアニメ『覆面系ノイズ』より『ALICE -SONGS OF ANONYMOUS NOISE-』(初回盤)

ただただ単純に、NARASAKIがギターロックを書き、弾いているという事実だけで嬉しくなってしまうのだが、むしろ今作のエモーショナルはライブに於ける声優陣(早見沙織高垣彩陽)のキレた歌唱にこそある。本編も鋭かった時代のBUGY CRAXONEのよう(たまたまだろうが、「ハイスクール」には「NORTHERN ROCK」に似たフレーズが出てくる)で格好良いのだが、少々きれいすぎるかな、と思ってしまう。なので今作に関しては是非とも初回盤を入手して、特典盤を聴いてみていただきたい。きっとブッ飛ばされる筈だ。

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Plastic Tree Tribute~Transparent Branches~

Plastic Tree Tribute~Transparent Branches~

 

V.A.『Plastic Tree Tribute ~Transparent Branches~』

意外な面子による素直なカバー、というのがシンプルな感想だが、それにしてもPlastic Treeというバンドの面白さと愛され方が伝わってくる良い企画だったと思う。面子の時点での何が起きるかわからない不安から一転した評価も含めて、とても印象に残った。

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10minimal『ふたりの旅』

彼女の作品に関しては全部同じで全部最高、くらいに思っていたし、中では『わたしのうた』が一番好きかな、くらいに思っていたのだが、その印象は今作で更新された。基本的に録って出しのアーティストだからこそ、こうしてコンセプトが固まった際のインパクトはなかなかのものがある。無限に聴いていられる、現代SSWの最高峰、だろう。

 


yakinch(ふにゃっち)『live20171103』

SNS時代の、だとか余計な枕詞をつけたくなってしまうが、要は優れたSSWであり、また、カバー曲の上手い、優れたアーティストだ。今作は彼の(録って出しな)ライブ音源だが、スタジオ盤よりも生々しくその魅力を伝えており、とても気に入っている。名盤。

ありふれたはてブロの物語

年も宜しくお願いします。

年はシングル、EPなどの名盤が多かったこともあり、まずはベストトラックを選んでみた。順不同、ジャンル関係なく10曲。

 

髭「もっとすげーすげー」

髭はもともと好きなバンドだったものの、少し離れていて、戻ってきたらこの調子だったので非常に驚いたというか、グっと来た。何も語らずして何か伝えたい、といった風だった昔も良かったが、ストレートに、けれど照れ隠しが見えるこのメッセージ、サウンドがとにかくエモーショナルに響いた。

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オオフジツボとリタ「遠すぎた十月」

吉良知彦が遺した形見のようなものがいくつかあり、それらが芽吹いたのが昨年の大きな、というか大きく反応せざるを得ないトピックだったのではないかと思う。「遠すぎた十月」はもともとユカキラリタというユニット用に書かれた曲だが、太田光宏のアレンジによってオオフジツボの楽曲として生まれ変わり、『螺旋の刻印』に収録された。アルバムそのものも出会いと別れを重ね連なっていくDNA、といった世界観を伝えた良い作品だったが、なかでもこの曲は特別扱いせざるを得ない、だろう。

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糸奇はな「環 -cycle-」

シンガーソングライターである糸奇はなに対して、メジャー・デビューが外注というのはなんだか失礼なんじゃないか、という思いがあるのだが(最近そういった流れが強いようにも思うし)、作曲:吉良知彦、作詞:小峰公子、編曲:上野洋子、という面子には抗えない特別なものを感じてしまう。実際の楽曲も、糸奇はな、上野洋子という新しい風(敢えてこう表現するが)によって近年のzabadakとは違った軽やかなものに仕上がっているし、楽曲のみにとどまらない、アーティストとアニメ本編との世界観の共有という意味でもすばらしかったと思う。

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曇ヶ原「3472-1」

自称『北池袋のアネクドテン』というだけでなんだか信用できてしまう、僕のような人種は間違いなく買って損はしないシングルだ。しかしそういったプログレッシヴ・ロックの愛好家以外であっても、『すきとおった陰鬱さ』とでも言うべき歌詞世界が暴力性をもって鳴らされることに感銘を受ける人間は多いのではないかと思う。楽曲のスケールの大きさに見合うような注目がされることを願う。

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THE SENSATIONS「DIG YOUR OWN GRAVE」

『ページビューといいね!の数にしか興味のない奴は自分の墓でも掘ってろ』というメッセージが清々しい5曲入り500円のシングル。ハイスタ化したランシドみたいな、と形容してみたくなる、軽やかでしかし強烈なメッセージを伝える名バンドだ。

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Discharming man「Disable music」

2017年に受けた衝撃はいくつかあるが、その中でも最大のものがDischarming man、蛯名啓太という存在を知れたことだ。特にこの、現編成になってからの7inch.シングル2枚は彼の頑固さとともに、最高の状態にあるDischarming manという『バンド』の現状を伝えてくれる。次を、ライブを、もっともっと観ていたいバンドだ。

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Anthology Three Chord「ローリング」

彼らについて語るのは難しい。1音鳴らされただけで伝わってくる、bloodthirsty butchersへの行き過ぎた愛情。ブッチャーズに限らず、よく出来たジェネリックなんていらない、というのが僕の基本的な思想だが、そもそもブッチャーズみたいなバンドになんてなろうと思ってなれるものでもないし、彼らだってなりたいとは思っていないのだろう。単純に澄まされたソングライティングのすばらしさとともに、ブッチャーズを真っ正面から超えてくるようなバンドになってほしいし、なる、だろうと思える。

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People In The Box「エンジェルダスト」

単独作品としては変則的な編集盤が出たのみだったPITBだが、バンド初のカバーだというこの曲には驚かされた。CRCK/LCKSなど、ジャズのニュー・チャプターを取り込んだ今様のバンドが注目されていく中で、PITBもまた、そういったジャンルのバンドとして扱われても良いのではないだろうか。圧倒的なグルーヴと解釈。

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Bitplane「The March of the Red Queen

単純に、カッコよかった。ダークウェイヴだとかそういったジャンルにはまったく詳しくないのだが、今作、そしてこのアーティストは好きだ。予告されていた筈のフルアルバムにも期待したい。

 

豊崎愛生「猫になる」

ベスト・アルバムが告知された際、その選曲に少し思うところがあったというか、もっとわかりやすく「フリップ フロップ」が入っていないのは問題だろう、と思っていた。しかし、アルバム新録であるこの曲を聴いてシンプルに感動させられてしまった。これからも、これまで以上にロックスターとして生きることをこうして高らかに宣言した以上、もっともっとカッコよく、クオリティの高い作品を作り続け、ステージに立ってほしいと思う。まだまだ、こんなものではない。

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ルバム編につづく。

いつかのメリーはてブロ

いお年を。

人であり、製作代行業『ぴゅぐまりおん』代表であるブルーレット奥田の宅(奥田家)で忘年会をしてきた。今年観てきたYouTubeのゲーム実況をPS4経由でTVに映しつつ、ひたすら飲み食い。このつきあいもそろそろ20年になる、と聞かされ、そうか、もうそんなに経つのか、と少しばかり感慨に耽る。加齢。

題「2017年一番良かった《映画・ドラマ・アニメ》」についてということで書いてみる。やはり、『魔法使いの嫁』3話だろうか。単体でも本当に素晴らしく、美しく、涙してしまった。年々涙もろくなっているなとは思うのだが、しかしそれにしてもピンポイントで弱点を突かれた感じだ。

題その2、「2018年の抱負」ということで書いてみる。一番細かった頃ぐらいにまで痩せたい。

Linux機でPlayOnLinuxの使い方を学ぶ。steamのLinux非対応ゲームを遊びたかったため。ちょうどウィンターセール中だということもあり、『VA-11 Hall-A』を購入し動かしてみる。無事に動き一安心。

少しだけ触ったが、なるほど面白い。僕の思うゲームの楽しさ、とは少し違うのだが、これも表現、芸術としてのゲームの形だ、とは。

日のCD。

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discotortion『影切』

日本のバンドによる4枚目のアルバム。2017年発表。個人的に今年は、discotortionに圧倒された年だった。この歳になると、CDを聴いて電撃が走るような体験なんてのはそうあるものではない。日本で最も音のデカいバンドであろうCo/SS/gZ(COPASS GRINDERZ)との親交が深い、というか彼らに『爆音鬼』という看板を借りている、というぐらいの、とにかく不健康に暴力的な、ジャンクでヘヴィな鉄の音。轟音そのものであった前作と比べ、より不可解に、より蠱惑的な、歌を届けるバンドになった、という印象がある。本当に『鬼』の看板に偽りなしというか、この世ならざるものが鳴らすロックのサウンドとはこういうような、という説得力すら感じさせる一枚だ。本当に、凄い。

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日のCDその2。

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TG.Atlas『Lost In Puzzle City』

日本のバンドによる3枚目のアルバム。2017年発表。こちらもジャンルとしてはジャンク、ということになるのだろうか。鉄臭いノイズをまき散らし聴き手を圧倒する,という意味では確かにそうだ。ただしかし、今作、今バンドの特別はそこにはなく、明らかに『魔法』としか言いようのないソングライティング、バンドアンサンブル、そういったものの先に表現されている真摯なるパンク・アティテュード。だろう。聴けば聴くほどの眩惑にけいれんが止まらなくなるような、かつてロックが魔力を、妖気のようなものを発していたとするのならばこういうものなのだろう、というサウンドに取り込まれてしまった。こちらもやはり、凄い。

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余談だが、この前作はbandcampで全曲試聴できるので気になったらそちらもチェックしてみて欲しい。

覆面系はてブロ

た不精しているあいだに間が空いてしまった。僕が発信しているコンテンツの中でも比較的読者からの反応が多いので、もう少しまめに更新しておきたいところだが。

pixiv BOOTH内『Survival Sickness Shop』にて小説の試し読み用電子冊子『Survival Sickness City Sampler Volume - 1.5』を公開した。前回のものから読みやすく改良したものなので、手にとっていただけると嬉しい。無料。よろしくお願いします。

survivalsickness.booth.pm

週のお題「今年中にやっておきたいこと」ということで書いてみる。上記の電子小冊子を作ったことと、サークルのラジオを年内にもう一回分更新しておきたい、ぐらいだろうか。欲を言えば大掃除というか、本とCD、レコードあたりをある程度処分してすっきりさせたいと思うのだが、CDに関しては無理かな、と半ば諦めている。

事、Linux、32bitのPCでもamazonプライム・ビデオが観られるようになった。『干物妹!うまるちゃん』や『ネト充のススメ』などを観ている。特に後者は上田麗奈にハマっている身としてまさに福音といった感じだ。アニメだけでなく、この機会に映画を観る習慣を取り戻したい。

記の件から関連して、アニメ『魔法使いの嫁』3話が本当に良かった。ED曲である「環 -cycle-」がまさにそういう曲だが、手がけたzabadakというアーティストが、故・吉良知彦氏が歌ってきた世界そのもので、そういった意味でも涙してしまった。単話だとわからない部分もあるかもしれないが、zabadakのファンは3話だけでも観てみてほしいし、逆に『魔法使いの嫁』ファンはこの機会にzabadakの楽曲に触れてみて欲しい、と思う。コラボレーションの縁。

またま『M-1 グランプリ』を観る。途中からだったが、大好きなジャルジャルの漫才が観られて満足(決勝には残れず、残念ではあった)。M-1にありがちな、一本目のほうが面白かったかな、という思いはあるものの納得の決勝。とろサーモン面白かった。しかし、ミキに一票も入らないものか。

日のアルバム。

yakinch『live20171103』

日本のシンガーソングライターによるライブ・アルバム。2017年発表。フリーダウンロード。僕がたまに引用する、七尾旅人の「息をするのもダルい時代に、呼吸をナメてる人間の音楽なんか聴けない」(細部は曖昧だが)という発言を思い出す、生々しい弾き語り+α。アニメソングのカヴァーとオリジナル曲を交えつつ、捨て身のユーモア(目が笑っていないような)と、syrup16g的な、と言えるかもしれない、『生活』に対する二律背反的な渇望と諦念。その強烈な歌詞世界から『えげつない冗談を歌う人』に思われがちだが、楽曲そのものの良さもあり、本当に優れたシンガーソングライターとしてまさにこれから評価されていくのではないだろうか。録って出し、ということもあり、身体表現としての『うた』を強く感じさせる名作。

日のCD。

MENTANPIN

MENTANPIN

 

めんたんぴん『MENTANPIN 1st』

日本のバンドによるアルバム。1976年発表。日本の、『北陸のグレイトフル・デッド』と異名を取る(当時)屈指のツアー・バンドによるデビュー・アルバム。アメリカのロックを消化するにあたり『日本特有の』泥臭さとサイケデリックとはどういうものか、という問いに対するひとつの解答がここにある。骨の太い演奏ととぼけたユーモア、ギターのフレーズに代表されるセンス、といったものがどれも一級品であり、いかにも70年代当時のロック、的でありながらもニュー・ロックとは一線を画した魅力がある。デッド的、というからにはおそらく、本来の魅力はライブにあるのだろうが、それでもガツンとロックの楽しさ、凄みを教えてくれる強烈な作品だ。初期作は再販され入手も容易であることだし、お薦めだ。

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日のCDその2。

ALICE ~SONGS OF THE ANONYMOUS NOISE~<初回仕様盤> (2枚組)

ALICE ~SONGS OF THE ANONYMOUS NOISE~<初回仕様盤> (2枚組)

 

『ALICE -SONGS OF THE ANONYMOUS NOISE-』(初回仕様盤)

TVアニメ『覆面系ノイズ』の劇中歌をまとめたCDと、ライブ・イベントからの録音を収めた初回盤ボーナスディスクを収めたアルバム。2017年発表。近年、オタク業界でその才能を遺憾なく発揮しているNARASAKIだが、『アイカツ!』提供曲を始めとしてシンセ・ポップやテクノ的なアプローチが多く、単純にCOALTAR OF THE DEEPERS『Come Over to The Deepend』や特撮『爆誕』を好んでいる身としてはもどかしい思いがあったし、Billyに対しても、良くも悪くもアニソンらしい楽曲を書く人、ぐらいの認識しかなかったのだが、今作はとても良かった。NARASAKIが手掛けるin NO hurry to shoutもBillyのペンによるSILENT BLACK KITTYも、アニソンで近年増えつつある(気がする)、ガッツリとしたギターロック。前者はCOTDの初期を思い出さざるを得ないギターのフレージングが燃えるし、後者は凛として時雨のオマージュをうまく織り込みつつ、ポップな楽曲に仕上がっている。そして何より、ライブ・テイクを8曲収めたボーナス・ディスクが素晴らしい。ザラッとした、潰れ気味の録音で性急に鳴らされる演奏と、『キレた』早見沙織高垣彩陽の両名による迫真の歌唱。生で弾いているNARASAKIのギターが堪能できるのも嬉しいし、あくまで特典的な音源とはいえ、初回のみだというのが勿体無い。今作に関してはこちらが本編だと言って良いくらいのド迫力なので、関係者の誰か、もしくは作品絡みのファンは全員初回盤を入手してみていただきたい。強くお薦め。

はてブロが明けたら

い。

子書籍でハヤカワSFがセールをしていたため、まとめ買いする。一時期ハマって少し読んだものの、いまはあまり読まなくなってしまったため、この機会に復帰したいな、と思う。とはいえ、一番最初に手を付けた『ハヤカワ文庫SF総解説2000』だけで満腹になってしまいそうであり、危ない。 

いでに長谷敏司『戦略拠点32098 楽園』の電子書籍版が安かったので買い直す。随分昔に読んだ頃は、長谷敏司がここまで取り沙汰される作家になるとは思わなかった。長いこと、幻の作品と化していたことだし。いまは『円環少女』の合本版もkindleでセールをしていることだし(500円!)『BEATLESS』アニメ化に向けて波が来ているようだ。趣深い。

日のCD。

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浅川マキ『スキャンダル 京大西部講堂1982』

日本の歌手による1982年のライブをCD化したもの。2011年発表。こんなCDが出ていたとは、そしていまでも手に入るとは知らなかった。一般的に「かもめ」、「夜が明けたら」といった初期のイメージが強いが(追悼の際、そればかりでうんざりしたくらい)80年台初頭のマキさんはノー・ウェイブなポスト・パンク色が強く、これもまた非常に格好良い。まずはアルバム『CAT NAP』でその完成度に触れてみてほしい、と思うのだが、今作はその収録手前にあたる公演を録音したもの。2枚組ではあるが47分程度という長さこそ少し驚くが(なぜ分けたのか)、ジャズにしても生々しい録音によって当時の浅川マキ、の壮絶さをとらえている。フリーキーなホーンやギターのトーン、スウィングするドラム、ベースはエレキと『82年のジャズ』を知るきっかけとしても良いのではないだろうか。現在、おそらく唯一であろう公式の映像が収録されたDVD『幻の男たち』も1984年の映像だったが、当時の浅川マキ、というのはマテリアルが残っている割に評価されていないように思う。全ディスコグラフィ、というか生き様、を通してすばらしい浅川マキというアーティストだが、中でもこの時期はロック・ファンにも取っ付きやすいのではないかと思う。お薦めだ。

通販はこちらから。

www.pignose.net

Hateblo Is A Minestrone

週のお題「芸術の秋」ということで書いてみる。とはいえ、秋だから何かをする、というのでもなく創作はしているし、そもそも僕が住んでいる地域では秋、というような気候はすぐに過ぎ去ってしまい、もう冬だ。あっという間に新年を迎える前に、書きかけの原稿、連載2本(片方は新、もう片方は再開)の準備をとっととしなければ。

海道COMITIA7に参加してきた。以下簡単に旅行記的なものを。

前日から札幌へ。運悪く友人がつかまらなかったため、ひとりでレコード店を回る。とはいえ、いまは棚にLPを増やせる余裕もあまりないし、取り回しの点からCDを買おうと思っていたのだが、いまはアナログ全盛であり、本当に文字通りの『レコード屋』ばかりでCDはおまけの棚、といった様子。いつかはCDも、いまのアナログのようになるのだろうか、そうだといいなと思いつつ、3枚ほど買い、4丁目のTSUTAYAでCDを30枚ほど借りた。今度は7インチでも探しに来ようかと思う。

当日。

後からサークル名の誤字に気づき赤面。ともあれ、友人や友人の友人を訪ねたり訪ねていただいたり、一般参加の方とのトークに花が咲いたりととても楽しいイベント参加となった。少しずつ北海道COMITIA内でのつながりも出来てきたし、続けてみるものだな、とつくづく思う。ありがとうございました。

イベント後は友人のM本君とお茶しながら音楽談義。最近すっかりハマっている札幌のオルタナ・シーンからアイドル、ヴィジュアル系などさまざまなジャンルに話が飛び、とても楽しい時間を過ごした。ダブってしまったCDを譲ってくれる、ということで、ゴス・ヴィジュアル系を中心にいろいろいただいた。もらうばかりでは申し訳ないので手元にあったクリームパンを渡す。いつも見かける度に買ってしまうスカパラの『FULL-TENSION BEATERS』を今度渡そうと決意する。先日三枚目の同アルバムが手元からうちのギターB氏に渡っていったばかりだが。

参加したイベント、旅行のなかでも特別に楽しいものになった。新刊に関しては通販やダウンロード販売も始まっているので、来られなかったという方もチェックしてみて欲しい。よろしくお願いします。

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日のアルバム。

Witchy Feelin'

Witchy Feelin'

 

Savoy Brown『Witchy Feelin'』

イギリスのバンドによる44枚目(おそらく)のアルバム。2017年発表。これは凄い。どう凄いかはまず、画像を見てもらえば一発でわかるのではないだろうか。結成50年を超える(ストーンズと同世代!)バンドがこのデス・メタルもかくやというジャケで2017年に新譜を出している。それだけでも僕としては尊敬してしまうのだが、サウンド面もなかなか。確かに、この壮絶なジャケに対して、音そのものは最早定番を過ぎて化石に近づきつつあるブルース・ロックなのだが、現代的な音像となるほど英国、というセンスは2017年の新譜として通用するし、何周もリバイバルを経た結果、『現代のブルース』としてクールなもの、に仕上がっているのではないだろうか。単純に、ロックのカッコ良さ、のスタンダードであろうし、半世紀を生きるロックの、ブルースの無冠の帝王が今なお存在感をもって新譜を出し、現役のバンドとして若手と渡り合っている。それが純粋にサウンドによるもの、とは言い切れないのかもしれないが、感動してしまった。お薦め。

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