虚空の黙祷者

クローカ/黒岡衛星の日記帳

空きっ腹にはてブロ

週のお題「残暑を乗り切る」ということで書いてみる。乗り切れていない。死にそう。

RISING SUN ROCK FESTIVAL '19に参戦してきた。詳しくはnoteにでも書こうと思うのだが、the pillowsの選曲に泣かされ、GLIM SPANKYはただひたすらにカッコよく、mol-74の自由さには大いに感銘を受けた。台風による1日目の中止などアクシデントにも見舞われたが、2日目は過ごしやすく、いいイベントだったと思う。10年以上ぶりに参加したが、思ったより動けて安心した。やはり場がいいからなのだと、思う。

田祐伸(chikyunokiki)による企画『時おり君を忘れる』を観た。シラサキトオルバンドの十勝を感じさせるオルタナ・カントリー的な楽曲や平井正也の純粋無垢さを失わない感情の洗練といった歌、山田祐伸はようやく「ひきかえる」が生で聴けたし、感無量。RSR3日目というか、クロージングみたいな気分もあり、とても感動した。

日のアルバム。

yakinch(ふにゃっち)『GIRL MEETS BLUE』

日本のシンガーソングライターによるアルバム。2019年発表。SNS世代の、だとか大仰な枕詞を付けたくなるのだが、2019年の日本からしか出てこないアーティスト、作品なのは間違いない。ルーツとなるJ-POPやオルタナといった要素を比較的ストレートに感じさせつつ、シンプルなバンド・サウンドに乗せてアニメキャラなどへの思いを歌う。早い話がBump Of Chicken『アルエ』などの延長線上とも言えるのだが、その先に現れるエモーショナルは最新の、いまでしか味わえない類のものだ。それは単に作品が、キャラが、シチュエーションが現代的だから、というだけの話ではなく、感情の解像度とでも言うべきものが、あくまでほとばしるような衝動で微細に描かれている。シンプルに声が五十嵐隆(Syrup16g)に似ている、というズルさもあるが、やはり説得力のある歌声もいい。インディながら鳴りのいい録音だとか、魅力を挙げていったらきりがない。フリーダウンロードだということもあり、オタクに限らず多くの人に届いて欲しい。シンプルにいい歌の詰まった、万人に薦められるポップ・アルバムだと、思う。