虚空の黙祷者

クローカ/黒岡衛星の日記帳

はてブロうたったうた

週のお題「ゲームの思い出」ということで書いてみる。いままさに最新作として騒がれている『オクトパス・トラベラー』が僕の子供時代を狙い撃ちしたビジュアルで心の底からプレイしてみたい。ビジュアル・デザインの面でよく比較されるFF6ロマサガシリーズ、要はエニックスと一緒になる前のスクウェア、辺りは本当に思い入れが強く、ゲーマーとしての僕の根幹にあるものだ。作品としては賛否あるようだが、それでも、気になる。

ンタルで映画『泥棒役者』を観る。どれだけ居るかわからない『舞台演劇風映画』ファンのための映画、という感じだった(実際後に舞台化されていたようだし)。絵本を中心に回る、寓話そのものの物語には思わず目頭が熱くなったし、シンプルに、家族で楽しめる映画だと思う。主演の丸ちゃん(from 関ジャニ∞)を始め、役者陣の熱演も光る良作だった。映画は久しぶりだったが、また熱心に観たくなってきたので、Amazonプライム・ビデオあたりで何か探してみようかと思う。

花亭本店4Fはまなしホールにて『ジュリア・スー ピアノリサイタル キーボード・ミュージックの地平〜バッハから武満へ〜』を観る。前半のセットが武満、メシアン、ベリオ、という時点で嫌な予感(嘘。期待)していたのだが、案の定、ずっとホラー映画の効果音を聴いているかのような釈然としない現代音楽の時間。中ではベリオ『6つのアンコール』がとても良かった。休憩を挟んで後半はバッハとベートーヴェンをシンプルかつ力強く弾いており、とても格好良かった。とはいえ、個人的にはやはり前半の現代音楽セットが良かった。しかし武満徹の音楽とはいつまで経っても仲良くなれるような気がしない。難しい。

日のCD。 

24時

24時

 

サニーデイ・サービス『24時』

日本のバンドによる5thアルバム。1998年発表。丸山さんに、サニーデイについてなにか一枚で、となると僕はこれを選ぶ。もちろん、彼らには名盤がたくさんあるしどれも面白いのだが、個人的な思い入れと、いややはりいま聴き返してもとんでもない作品だ、という思いがあるためだ。ともすれば頭でっかちなバンドに見えがちだが、根の部分はどこまでも泥臭く、あくまでもロックンロールのバンドだということが一番よく見えるアルバム、だと思う。アメリカン・ルーツ・ミュージックなんかを取り入れながら決してカラっと晴れることなく、泥まみれで地を這っているような、人間として思い悩んでいる様がそのまま伝わってくる。いまでも彼らは躁的に活動しているが、個人的にはやっぱり今作が特別だし、「カーニバルの灯」が一番好きな曲、ということになるのだろうな、と思う。決して楽しくも、明るくもないし、ある種の聴きづらさすらある作品ではあるものの、強烈に心に残るアルバムは確かなので、一度はぜひ聴いてみてもらいたい、と思う。丸山さんのドラムがしっかり楽しめるのも、案外と今作なのではないだろうかと思う。

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日のCDその2。

平行世界

平行世界

 

zabadak『平行世界』

日本のユニットによる22thアルバム。2009年発表。吉良さんの逝去から2年、ということで、zabadakに関しては語りきれないものがあるのだが、思い出深いアルバムの一つとして取り上げてみる。とはいえ、この頃のzabadakでは断然『SIGNAL』が名盤であり、あとは名曲こそ多いもののアルバムとしてはどうか、という作品が多く(というか、zabadak全体の傾向がそのように思う)、今作で言うとアニメソングとしてヒットした「旅の途中」のセルフカバーを含みつつ(とはいえこれも清浦夏美版の方が名曲度が高かった気がする)、全体的には地味、といったところだろう。前作(企画盤)『宇宙のラジヲ』で聴かれた異常なまでのアコースティックな音の良さもロック・サウンドとの相性がいまいちであるし、最初の一作としてはどこまでも不向きだ。とはいえ、地味であるもののアルバムのトータルとしてのまとまりや、アベレージとしてのzabadakの、普段の良さ、というのはきちんと出ている。シンプルに、吉良知彦期のzabadakを堪能できるのは意外とこのアルバムかもしれない。後に相棒となる鬼怒無月を初めて迎えたオープナー「樹海 -umi-」に始まり、吉良知彦が牽引していたzabadak独特の、黄昏れたファンタジー/SF観、とでも言うべきものがよく現れた楽曲が並ぶ(そもそも表題曲からして、という話だ)。他にもたとえば、この時期によく見られた『サビメロをイントロの泣きのギターで』式名曲(『Wonderful Life』や『彗星はいつも一人』などの)である「ラジオ・ステーション」は裏「宇宙のラジヲ」とも言うべき隠れ名曲であり、あまり話題にならないが歌詞といいメロディといい、『泣けるポップ・ロック』の手本みたいな楽曲だと思う。Mike Oldfieldそのものな大曲「Pulse」などもあり、聴き応えは十分。

大名盤、というわけではないがとても好きな、きっといつまでも思い出してアルバム単位で聴く作品、だと思う。いつかこれを読んでいる貴方の耳にも、そうなればいいなと思ったりも、する。お薦め。

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