虚空の黙祷者

クローカ/黒岡衛星の日記帳

はてブロ・リビルド

刊通販開始。

survivalsickness.booth.pm

『VA-11 Hall-A』と南米の文学、音楽に触れたZINEと、新作書きおろし百合小説。どちらも内容には自信があるので、ただただ手に取ってもらえるのを祈るのみ。よろしくお願いします。

週のお題「星に願いを」ということだが、うちの地元の七夕は8月だ。

www.youtube.com

HipsterにてTriniteのライブを観る。身も蓋もなく、また誤解を恐れないように言うと、ピアノ/ヴァイオリン/クラリネットバスクラリネット・サックス等)/パーカッション、という編成による暗黒チェンバー・ロック、なのだが、そういったサウンドで語られるのはもっとHolyな、後期コルトレーン・ミュージックに似た祈り。キリスト教的なモチーフを使いつつも、祈るべき対象がもっと広く、日本に於いて誠実にスピリチュアル・ジャズの精神性を継ごうとするのならばこういった表現になるのだろうな、というもの。プログレ/ジャズ/ロック/クラシック、といった要素がマーブル状に溶け合い、ひとつの波動として伝わってくるサウンドは本当に圧巻だった。ライブ参戦が趣味、ということもあって凄い、と思わされる演奏に出会うことはそれなりにあるのだが(比較的心が動きやすい、というのはあるものの)、ここまでの『誠実な祈り』に出会ったのは初めてかもしれない。あまり周知されていないのが残念だが、調べてみると案外と近くに来ていることもあると思うので、ぜひ一度観てみていただきたい。安くない感動を、保証する。

日のCD。

PRAYER -SABATO SANTO-

PRAYER -SABATO SANTO-

 

trinite『prayer -sabato santo-』

日本のバンドによるライブアルバム。2018年発表。 というわけで今作は1st『prayer』を完全再現したライブに、新曲である「sabato santo」を加えたもの。1stは最も作曲者や奏者の意図が掴みにくいというか、最も深い部分での表現が現れているからこそ、難しいアルバム、だと思う。広義の室内楽、だと思うのだが、もっとプログレッシヴ・ロックやジャズを感じさせ、ひとつのジャンル、としての聴きどころに留まることなくリスナーの意識を引っ張っていく。おそらく、最初に聴くのであれば2nd『月の歴史』がメロディアスで聴きやすいとは思うのだが、しかし、タイトルにもあるとおり、強く『祈り』の芯を感じさせるアルバムとしていつかは聴いてみていただきたい。こんな、凄い、の最上級といったような作品はそうそうないのだから。

 

日のCDその2。

ストライク・リビルド【ダウナー】

ストライク・リビルド【ダウナー】

 

THE JETZEJOHNSON『ストライク・リビルド【ダウナー】』

日本のバンドによる企画盤。2018年発表。現在の編成(サポート含)による過去曲のリメイク、【ダウナー】編、ということで、あまり明るくない楽曲が中心に収められている。とはいうものの静かなわけでもなく、以前出た【アッパー】編が底抜けに明るいかというとそうでもなく、まあバンド側の分類上の問題なのだろう。とはいえ、選曲はあくまでコンセプチュアルであり盤のまとまりもいいし、フィジカルとデジタルが交差した現在のバンドによる演奏が過去最強なのは間違いないので、文句なしに名盤、ということになる。過去楽曲でベストを組むのであればこう、という選曲であるし、いい意味でジャパニメーション・カルチャーとの親和性も高い世界観は、鶴田謙二によるアートワークと併せてそういった層にもアピールするのではないかと思う。日本のドメスティックなロック、として世界に誇れるものだと思うので、広く聴かれて欲しい。お薦めだ。

www.youtube.com

www.youtube.com