虚空の黙祷者

クローカ/黒岡衛星の日記帳

流れよ涙、とはてブロは言った

くなってしまったが、第一回文学フリマ札幌、拙スペースに訪れてくれた方に感謝の念を。おかげさまで『カレンダーガール』に続き『ガールズ・ワールズ・レコーディングス 黒岡春日作品集』も完売となったが、新刊、近刊には余裕がまだある。遠方、用事で来られなかったが興味はある、という方はBOOTHの方で通販も行っているので、ぜひ。完売した作品はPDF版のダウンロード販売も用意。よろしくお願いします。

んぞこれ。

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画『ブレードランナー』を観る。怒られそうだが、実は初見であり、リドリー・スコット監督作品にも、フィリップ・K・ディック作品に触れるのも初、ということになる。とにかく、画と音楽にワクワクされっぱなしだった。〆め方に不満がないでもないが、圧倒的に『SF』を魅せてくれた作品。原作にも機会を見つけてきちんと触れてみたい。

日のCD。

+ -Beast-

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 日本のバンドによる4枚目のアルバム。2015年発売。バリトンサックス/ピアノ/トランペット/チェロという編成で奏でられるチェンバー・フリージャズ・アンサンブル。首謀者(という表記が似合う)である吉田隆一による妄想を膨らませたCDデザイン(ブックレット内には架空のSFアニメ作品の設定資料が載っている)がかもしだす統一感と、各人、そしてバンドとしてのポテンシャルが膨れ上がる、まさにジャズ的な盛り上がりがぶつかり合うことなくガッチリと噛み合った結果、とんでもない名盤に仕上がっている。特に「地球買います」終盤の盛り上がりにはまんまとやられてしまい、泣きそうになってしまった。正直、吉田隆一のオタク趣味に関しては存じていながらもあまり好ましいとは思っていなかったのだが、ここまで己れの活動にきちんとフィードバックしているのならば話は別だ。コミカルでどこかとぼけたフィーリングの中に確かな叙情と鋭いキレがあり、ジャンルコードとしてのジャズに止まらない自由さはきっとリスナーを選ばず、多くの人間を笑顔にできるのではないかと思う。とは言うものの、CDブックレットにガッツリと記載されたSFオタクならではの中二感だとか、そもそもジャケットだとか、コンセプト("SF+フリージャズ")といったものが別の意味で客層を限定していそうな気はする。吉田隆一と新垣隆のデュオ『N/Y』のように、非オタクにも届いてほしい、インストゥルメンタルの名盤。

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