虚空の黙祷者

クローカ/黒岡衛星の日記帳

はてブロうたったうた

週のお題「ゲームの思い出」ということで書いてみる。いままさに最新作として騒がれている『オクトパス・トラベラー』が僕の子供時代を狙い撃ちしたビジュアルで心の底からプレイしてみたい。ビジュアル・デザインの面でよく比較されるFF6ロマサガシリーズ、要はエニックスと一緒になる前のスクウェア、辺りは本当に思い入れが強く、ゲーマーとしての僕の根幹にあるものだ。作品としては賛否あるようだが、それでも、気になる。

ンタルで映画『泥棒役者』を観る。どれだけ居るかわからない『舞台演劇風映画』ファンのための映画、という感じだった(実際後に舞台化されていたようだし)。絵本を中心に回る、寓話そのものの物語には思わず目頭が熱くなったし、シンプルに、家族で楽しめる映画だと思う。主演の丸ちゃん(from 関ジャニ∞)を始め、役者陣の熱演も光る良作だった。映画は久しぶりだったが、また熱心に観たくなってきたので、Amazonプライム・ビデオあたりで何か探してみようかと思う。

花亭本店4Fはまなしホールにて『ジュリア・スー ピアノリサイタル キーボード・ミュージックの地平〜バッハから武満へ〜』を観る。前半のセットが武満、メシアン、ベリオ、という時点で嫌な予感(嘘。期待)していたのだが、案の定、ずっとホラー映画の効果音を聴いているかのような釈然としない現代音楽の時間。中ではベリオ『6つのアンコール』がとても良かった。休憩を挟んで後半はバッハとベートーヴェンをシンプルかつ力強く弾いており、とても格好良かった。とはいえ、個人的にはやはり前半の現代音楽セットが良かった。しかし武満徹の音楽とはいつまで経っても仲良くなれるような気がしない。難しい。

日のCD。 

24時

24時

 

サニーデイ・サービス『24時』

日本のバンドによる5thアルバム。1998年発表。丸山さんに、サニーデイについてなにか一枚で、となると僕はこれを選ぶ。もちろん、彼らには名盤がたくさんあるしどれも面白いのだが、個人的な思い入れと、いややはりいま聴き返してもとんでもない作品だ、という思いがあるためだ。ともすれば頭でっかちなバンドに見えがちだが、根の部分はどこまでも泥臭く、あくまでもロックンロールのバンドだということが一番よく見えるアルバム、だと思う。アメリカン・ルーツ・ミュージックなんかを取り入れながら決してカラっと晴れることなく、泥まみれで地を這っているような、人間として思い悩んでいる様がそのまま伝わってくる。いまでも彼らは躁的に活動しているが、個人的にはやっぱり今作が特別だし、「カーニバルの灯」が一番好きな曲、ということになるのだろうな、と思う。決して楽しくも、明るくもないし、ある種の聴きづらさすらある作品ではあるものの、強烈に心に残るアルバムは確かなので、一度はぜひ聴いてみてもらいたい、と思う。丸山さんのドラムがしっかり楽しめるのも、案外と今作なのではないだろうかと思う。

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日のCDその2。

平行世界

平行世界

 

zabadak『平行世界』

日本のユニットによる22thアルバム。2009年発表。吉良さんの逝去から2年、ということで、zabadakに関しては語りきれないものがあるのだが、思い出深いアルバムの一つとして取り上げてみる。とはいえ、この頃のzabadakでは断然『SIGNAL』が名盤であり、あとは名曲こそ多いもののアルバムとしてはどうか、という作品が多く(というか、zabadak全体の傾向がそのように思う)、今作で言うとアニメソングとしてヒットした「旅の途中」のセルフカバーを含みつつ(とはいえこれも清浦夏美版の方が名曲度が高かった気がする)、全体的には地味、といったところだろう。前作(企画盤)『宇宙のラジヲ』で聴かれた異常なまでのアコースティックな音の良さもロック・サウンドとの相性がいまいちであるし、最初の一作としてはどこまでも不向きだ。とはいえ、地味であるもののアルバムのトータルとしてのまとまりや、アベレージとしてのzabadakの、普段の良さ、というのはきちんと出ている。シンプルに、吉良知彦期のzabadakを堪能できるのは意外とこのアルバムかもしれない。後に相棒となる鬼怒無月を初めて迎えたオープナー「樹海 -umi-」に始まり、吉良知彦が牽引していたzabadak独特の、黄昏れたファンタジー/SF観、とでも言うべきものがよく現れた楽曲が並ぶ(そもそも表題曲からして、という話だ)。他にもたとえば、この時期によく見られた『サビメロをイントロの泣きのギターで』式名曲(『Wonderful Life』や『彗星はいつも一人』などの)である「ラジオ・ステーション」は裏「宇宙のラジヲ」とも言うべき隠れ名曲であり、あまり話題にならないが歌詞といいメロディといい、『泣けるポップ・ロック』の手本みたいな楽曲だと思う。Mike Oldfieldそのものな大曲「Pulse」などもあり、聴き応えは十分。

大名盤、というわけではないがとても好きな、きっといつまでも思い出してアルバム単位で聴く作品、だと思う。いつかこれを読んでいる貴方の耳にも、そうなればいいなと思ったりも、する。お薦め。

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はてブロ・リビルド

刊通販開始。

survivalsickness.booth.pm

『VA-11 Hall-A』と南米の文学、音楽に触れたZINEと、新作書きおろし百合小説。どちらも内容には自信があるので、ただただ手に取ってもらえるのを祈るのみ。よろしくお願いします。

週のお題「星に願いを」ということだが、うちの地元の七夕は8月だ。

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HipsterにてTriniteのライブを観る。身も蓋もなく、また誤解を恐れないように言うと、ピアノ/ヴァイオリン/クラリネットバスクラリネット・サックス等)/パーカッション、という編成による暗黒チェンバー・ロック、なのだが、そういったサウンドで語られるのはもっとHolyな、後期コルトレーン・ミュージックに似た祈り。キリスト教的なモチーフを使いつつも、祈るべき対象がもっと広く、日本に於いて誠実にスピリチュアル・ジャズの精神性を継ごうとするのならばこういった表現になるのだろうな、というもの。プログレ/ジャズ/ロック/クラシック、といった要素がマーブル状に溶け合い、ひとつの波動として伝わってくるサウンドは本当に圧巻だった。ライブ参戦が趣味、ということもあって凄い、と思わされる演奏に出会うことはそれなりにあるのだが(比較的心が動きやすい、というのはあるものの)、ここまでの『誠実な祈り』に出会ったのは初めてかもしれない。あまり周知されていないのが残念だが、調べてみると案外と近くに来ていることもあると思うので、ぜひ一度観てみていただきたい。安くない感動を、保証する。

日のCD。

PRAYER -SABATO SANTO-

PRAYER -SABATO SANTO-

 

trinite『prayer -sabato santo-』

日本のバンドによるライブアルバム。2018年発表。 というわけで今作は1st『prayer』を完全再現したライブに、新曲である「sabato santo」を加えたもの。1stは最も作曲者や奏者の意図が掴みにくいというか、最も深い部分での表現が現れているからこそ、難しいアルバム、だと思う。広義の室内楽、だと思うのだが、もっとプログレッシヴ・ロックやジャズを感じさせ、ひとつのジャンル、としての聴きどころに留まることなくリスナーの意識を引っ張っていく。おそらく、最初に聴くのであれば2nd『月の歴史』がメロディアスで聴きやすいとは思うのだが、しかし、タイトルにもあるとおり、強く『祈り』の芯を感じさせるアルバムとしていつかは聴いてみていただきたい。こんな、凄い、の最上級といったような作品はそうそうないのだから。

 

日のCDその2。

ストライク・リビルド【ダウナー】

ストライク・リビルド【ダウナー】

 

THE JETZEJOHNSON『ストライク・リビルド【ダウナー】』

日本のバンドによる企画盤。2018年発表。現在の編成(サポート含)による過去曲のリメイク、【ダウナー】編、ということで、あまり明るくない楽曲が中心に収められている。とはいうものの静かなわけでもなく、以前出た【アッパー】編が底抜けに明るいかというとそうでもなく、まあバンド側の分類上の問題なのだろう。とはいえ、選曲はあくまでコンセプチュアルであり盤のまとまりもいいし、フィジカルとデジタルが交差した現在のバンドによる演奏が過去最強なのは間違いないので、文句なしに名盤、ということになる。過去楽曲でベストを組むのであればこう、という選曲であるし、いい意味でジャパニメーション・カルチャーとの親和性も高い世界観は、鶴田謙二によるアートワークと併せてそういった層にもアピールするのではないかと思う。日本のドメスティックなロック、として世界に誇れるものだと思うので、広く聴かれて欲しい。お薦めだ。

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栄光のはて・ブロ

ずは北海道COMITIA8、並びに札幌でお会いできた人々に感謝の念を。ありがとうございました。近い内に通販の案内も始められると思うので、会場に行けなかったという人も待っていてほしい。よろしくお願いします。

週のお題『チョコミント』ということで書いてみる。純粋なミント味はずっと苦手だったのだが、なぜかチョコミントが好きになり、気づいたらモヒートを飲んだりするようになっていた。不思議なものだ。

楽CDが大量に届く。レンタルと購入併せて50枚以上。ひたすらリッピング地獄のち聴取地獄。

チ旅行記。というわけで上記の通り、一泊二日で『北海道COMITIA 8』に参加してきた時のことを。

16日。Miles Davis『Bitches Brew』をリピートしながらバスで札幌へ。以前は『In a Silent Way』一択だったのだが、久しぶりに聴くと凄まじく良い(歴史的名盤にこんなことを言うのもなんだが)。耳が追いついた、ということだろうか。宿にチェックインし、友人K氏とレコード・ショップで合流する。自分の買い物もそこそこに、ひたすら友人へのリコメンドに勤しむ。東京スカパラダイスオーケストラ『GUNSLINGERS』(宇宙一カッコいいロック・アルバム)や90年代初頭のメタルなどを買わせ、自分はPatti Smithなど主にパンクのCDを買う。そういった辺りでいい時間になったので飲みに行く。K氏が連れて行ってくれた『九州博多めし どげんこげん』という店は2980円(税別)で90分食べ飲み放題という安さながら何を食べても美味く、高菜のパスタや辛子蓮根、オニオンスライス(!)まで、とにかく感動しっぱなしであった。飲みの席ということで創作や人生の話なんかにも花が咲きつつ、あっという間の90分だった。その後はK氏の知り合いがやっているというバーに顔を出したりしつつ、解散。宿へ。

17日。眠れず。仕方ないので葵せきなゲーマーズ!』を読む。6巻のラストに震え、悶える。コーヒーとトーストを入れ、昼食にサンドイッチを買い、徹夜のままイベントへ。足を止めてくださった方もそこそこいたし、このイベントでしか会えない人に挨拶することもできた。あらためてありがとうございます。イベント後は友人M氏とその友人Y氏と三人でお茶。オーケンの話を中心に、音楽や特撮(SFXの方)などの話をする。森博嗣の話ができたのが嬉しかった。夕方に別れ、札幌駅へ。この頃には徹夜でハイになっていたのだろうか、食欲が回復したので喫茶コーナーで『横濱文明開化カレー』なるものを食すものの、まったく納得の行かない味。その後バスに乗って帯広駅まで帰ったが、結局セイコーマートでもう一度カツカレーを買って帰宅。就寝。

迂闊にも徹夜してしまったせいで弾丸のような旅行になってしまったが、やはりイベントの空気は良いものだと再確認。反省点は次回までに活かし、よりよく活動していきたいと思う。繰り返しになるが、感謝の念を。ありがとうございました。

日のCD。

More Circles

More Circles

 

Circles『More Circles』

ドイツのデュオ・ユニットによる2枚目のアルバム。1984年発表。気づけば日本のアルバムばかり紹介している当ブログだが、たまには変わったものも。クラウトロックとジャーマン・ニューウェーヴの境目を自由自在に操る、どこまでも『エクスペリメンタル』という単語の似合うアルバムだ。フリッパートロニクス的なギターと、70年代以前の野蛮さを残した電子音響、チープなリズムボックス、ミュージック・コンクレートなどが理性的に絡まり合い、実験的でありながらどこかロマンティックな響きが耳に愉しい。エレクトロニカ通過後の耳で聴いてもまったく有効な作品であることだし、電子音を愛する向きに広く聴かれて欲しいアーティストだ。お薦め。

不明のはてブロ

週のお題「雨の日の過ごし方」ということで書いてみる。やはり外出する気が失せるため、素直に部屋で小説など読みながら音楽を聴いているのだが、かといって晴れの日にはきちんと外出しているかというとそういうわけでもなく。あまり引きこもっていてもいいことがないので出かける習慣をつけたいものではあるが。

の続き。6/3にHipsterで行われた弾き語り系のライブに行ってきた。chikyunokiki山田祐伸による企画ということで楽しみにしていたのだが、裏切られない、すばらしい面子によるすばらしいライブだった。以下簡単にレポートを。

一番手は企画主の山田祐伸。「select selection」〜「Life Game」というchikyunokikiの2ndに収録されている楽曲から始まったのだが、開演前の空気をがらっと変える演奏。コンパクトなシンセとアコースティック・ギターをエフェクタで操作する、乱暴かつシンプルに表現すると『札幌ハードコアを注入されたキセル』といった感じ。単純にジャズの人だから巧い、だとかそういったしょうもない話ではなく、自らのテクニックとエモーショナルをたった1人でどう見せるか、ということに対して求道的な印象を受けた。同じくchikyunokikiから1stの隠れ名曲「海のような草原に魚は泳ぐか」 、大名曲「ひきかえる」で終了。1st収録曲はなんだか泣けてしまう。ソロでの音源にも期待がかかる。

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二番手のシラサキトオル糠平(ぬかびら、地名)のアーティストということで、どういう音楽が飛び出してくるか気になっていたのだが、いい意味でらしいというか、大自然のスケールの大きさを若者の視点で切り取っていく楽曲が痛快だった。ちょっとzabadak吉良知彦の弾き語りであったり、90年代のMTVアンプラグドといったものを思い出しつつも、やはり北海道『らしさ』のようなものが現れてくるのが面白い。

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三番手はsenoo ricky。斎藤和義の『12月』が目の前で再現されているような、と言って伝わるだろうか、シンプルな名曲をシンプルに届ける、最もスタンダードながら難しいスタイル。from京都、と言われると何となく成る程と頷いてしまうような歌詞世界が独特。「暇珈琲」、「猥談」といった楽曲に感銘を受ける。徳永英明「夢を信じて」カヴァではその場でRyo Hamamotoを迎えてのスペシャル・セッションに発展したりもして楽しかった。

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ラストのRyo Hamamoto。いかにも東京のバンドマンといった風だな、と思っていたらぶっ飛ばされた。その変人ぶりと世界観を表現するのは難しいが、南国焼けした成山剛(sleepy.ab)か、楽曲がバグったまま進行する福山雅治か。エレキ弾き語り、というスタイルもややユニークながら、『変でいい曲』を淡々と演奏するスタイルにとにかく圧倒される。「カリブに配属」や「中古のベンツ」といったユーモラスな曲名からは想像もつかない名曲が目の前で展開していく上、目が笑っていないのでちょっと怖いぐらいだった。

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いい感じに盛り上がり、客側もアンコールを引っ張りに引っ張って終演。MCの「時間が許す限り居座っていただければ」という下りを真に受けて演者と話しながら粘ってしまい、帰ったら23時を回っていた。とにかくいいライブだったのだが、単純に知名度の足りなさから集客に繋がっていなかったのが勿体無い。次回、そのままという風にはいかないだろうが、こういった面子が揃ったらもっともっと大入りでいいと思うし、実際にそれだけの価値がある興行だった、と思う。地元のシーンがもっと盛り上がってくれることを祈るばかりだ。

日のCD。

ソングライン

ソングライン

 

羅針盤『ソングライン』

日本のバンドによる3rdアルバム。2000年発表。senoo rickyはドラマーとして山本精一のサポートもしているということで、、終演後にちらっと話題になった名盤を。『はちみつぱいみたいなうたもの』としてスタートしたバンドだが、この辺りになるとサッドコアやスロウコアに近い。山本精一ならでは、といったシューゲイズしつつも抑制されたギターに淡々とした歌唱で綴られる諦念と、ピアノを含むリズム隊による『気の利いた』という言葉がとにかく似合う演奏はあらためて今聴いてもスタンダードであり、あまり言うことが見当たらない。羅針盤は名盤しかないバンドだが、第一期のラスト作として位置付けようとしていたこともあり、やりきった、それでいてバランスの良さでもまずは今作を聴いてみて欲しい。「ひとりのくに」が泣ける。

 

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羅針盤「ソングライン」

日のCDその2。 

Into a new world

Into a new world

 

DIMENSION『Into a new world』

日本のバンドによる15枚目のアルバム。2001年発表。これは今聴くべき隠れた名盤なのではないか、と思う。フュージョン・ブームも一段落した2001年、リズム隊の不在をデトロイト・テクノ的な浮遊感で解決することにより、クラブ・ジャズ的に今聴いてもまったくダサくないどころか、Robert Glasper以後のスペーシーなフュージョン・リヴァイヴァルが持て囃される風潮にも合致。Light-Mellow的な再評価の隣人としても聴けるし、意外と風化せず徒花にならないであろうユニークな一枚だ。

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はてブロで煙草を吸わないで

週のお題「修学旅行の思い出」ということで書いてみる。青森に行ったときの、弘前城の満開の桜が忘れられない。青函トンネルの、青森に入った瞬間の、空気が変わったような感じ、も懐かしい。その後に東京や京都など、大きな街にばかり行くようになってしまったが、またいつか行きたいものだ。

題「お部屋自慢」ということで書いてみる。これまでは来客を圧倒するような棚の本が鎮座していたのだが、だいぶ減らせた。ヴィジュアル的にはだいぶ物足りなくなってしまったが、これからおしゃれに模様替えする楽しみがあると思えば部屋の片付けも捗ろうというものだ。

のような時間。札幌にて、『Dream Violence Vol.36』と『NAVYO presents NOCON vol.13 We love b.t.b! We love Hideki Yoshimura!』を観る。bloodthirsty butchersを慕う人たちを中心とした、パンクのお祭りみたいなものだ。ライブについてのレポートはまたきちんと記事にするが(ZINEなどで発表したい)、簡単に旅のメモ書きなどを残しておく。

5/26。昼から高速バスで札幌へ。久しぶりに観られる、会えるという期待のため、スマートフォンでずっとDischarming manを聴いていた。宿である『ゲストハウスやすべえ』の近所のパン屋『ペンギン』で昼食を買い、チェックインし、ロビーの喫茶で一息つく。『ペンギン』のパンはそこそこ安価で美味しく、ザウアークラウトを挟んだホットドッグやクリームの甘さも上品なフルーツサンドなどに感銘を受けた。まだ時間に余裕があるため、ライブ前に町中で買い物をする。イエローサブマリン札幌RPG館へ。久しぶりに入ったが、ちょうどボードゲーム熱が高まっていたため、宝の山だ。迷いに迷ったが『インフェルノ』(ライナー・クニツィア)のみ購入。まだ時間があったため4丁目のツタヤへ向かい、あがた森魚カルメン・マキを借りる。郵送で返却できるのがありがたい。

『Dream Violence Vol.36』はDischarming man企画によるライブ・イベント。会場である札幌161倉庫の雰囲気がありすぎる古さに若干不安になるが、メンツも良いしピースフルな空気がオーガナイズされた最高の空間だった。物販ではTG.AtlasのTシャツや松石ゲル(PANICSMILE)関連音源、前に観た際よりあまりにもカッコ良く進化していたDON KARNAGEの1stアルバムなどを購入。

終電ぎりぎりで宿へ帰り、セブンイレブンで買ったスープを食し、さっとシャワーを浴びて寝た。

5/27。『ペンギン』は10時開店ということで朝食には遅く、仕方ないのでセブンイレブンで買いさっと済ます。家族や友人への土産物を探しに町中へ。土産物屋もだが、イエローサブマリンボードゲームなど買って渡すのもいいかもしれないな、と思い再訪。『HANABI』や『シェフィ』などの名作と言われるものを購入。その後、『みよしの』でぎょうざカレーを食し(B級グルメ的ではあるが、なんだか食べたくなる)、友人K氏と合流。ドトールで、創作論から世間話まで積もる話に花を咲かせた。さらに友人M氏とも合流し、たまたまやっていたタワレコカフェのBUCK-TICKコラボへ。M氏と2人でBUCK-TICKの魅力についてK氏にプレゼンしたり、音楽の話で盛り上がる。

K氏と別れ、M氏と『NOCON vol.13』へ。通称『吉村会』。bloodthirsty butchers故・吉村秀樹を偲ぶ会、というかそれをきっかけに集まってワイワイとライブをやる集まり、という感じ。パンクのイベントでありつつもあくまでハッピーでピースフルなのは吉村さんの人柄なのか、周りの人柄なのか(こっちのような気はする)。M氏のバンド仲間を紹介してもらったり、物販にいる演者と話し込んだりしつつ(いい人ばかりだった)、ライブ本編もとにかく素晴らしいというか、とんでもないバンドがずっと続いて唖然としっぱなしだった。札幌の、周辺のシーンはこんなに面白いのか、ということに気づくのは少し遅かった気がするが、気が付かないよりは断然良い。終演後はM氏と別れ、宿へ。道中セブンイレブンでおにぎりとパンを買い、夕食と翌日の朝食とする。到着即就寝。

5/28。朝食を摂るとあとは特にすることもないので、チェックアウト後はbloodthirsty butchersを聴きながら早めにバスターミナルへ。喫茶コーナーでアイスコーヒーを飲み、バス停へ。高速バスで夕方には地元・帯広に到着。

まずは現地でお世話になった方々に感謝の念を。繰り返しになるが、とにかく夢のような時間だった。あらためてbloodthirsty butchers吉村秀樹という存在の大きさ、現在の札幌ハードコア・シーンの活況を肌で感じられた。

日のCD。

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DON KARNAGE『reminiscence』

日本のバンドによる1stフル・アルバム。札幌ハードコア、の最新型ということで紹介してみる。竹林現働プロデュース、ということもあり、どこかCOWPERSやzArAmeといったバンドからの影響も伺わせつつ、もっとシンプルかつ性急なビートでかっ飛ばす。かと思えばテンポを落としてスローな表現でもその殺傷力は衰えることなく、どこまでもザクザクと、しかし決してスポーティに陥ることが無いままに聴き手を挑発し続ける様が正しく札幌ハードコア。最初にライブで観た時と比べて特に遅い曲での殺傷/表現力が増しており、シンプルで凶悪、しかし決して単純なわけではないという理想のサウンドを実現させている。札幌ハードコアってどういう音楽?という人が最初の一手として聴くのもいいだろうし、bloodthirsty butchersからの影響を求めかつて熱狂した人々の耳にも届いて欲しい。NOT WONKが全国規模でその名を轟かせつつある今、共に盛り上がって欲しい名バンド名盤だ。お薦め。

 

はてブロ岬

き続き、来月の北海道COMITIA8をよろしくお願いします。告知告知。

crouka.hatenablog.com

週のお題「あの人へラブレター」ということで書いてみる……とはいえ、ぱっと書くような相手は見つからない。寂しい生活をしているものよと思いつつ、平穏であるのが一番、のような気もする。関係ないがカードゲーム『ラブレター』は名作なのでもっともっと遊ばれてほしい。

ラブレター (Love Letter) カードゲーム

ラブレター (Love Letter) カードゲーム

 

 

と思い立ち、リサイクルブック稲田店へ。前々から話題にしている、帯広イチのサブカルに強い古書/中古レコードの店だ。積もる話に花を咲かせ……というほど明るい話題ではなかったものの、久しぶりに話せてよかった。単純に、こういった偏屈な店をやっているというのに滅茶苦茶いい人だ、というのがここの店主の面白くも信頼できるところで、繰り返しになるが帯広に来たら一度は訪れてみて欲しい。きっと楽しめるはずだ。最近はサエキけんぞう氏とつながりがあるらしく(サエキ氏が関連音源を卸している唯一の店だそうだ)、そちらのファンも一度は訪れるべきだろう。帯広には珍しい、お薦めのスポットだ。

日のCD。 

完璧なベスト(紙ジャケット仕様)

完璧なベスト(紙ジャケット仕様)

 

日本のロックユニットによるベスト・アルバム。1992年発表。というわけで、サエキけんぞう氏のイイ仕事に触れていきたい。こちらはパール兄弟時代の、メンバーも音楽的にも充実していた時期(そうではない時期も面白いが)に発表されたベストだということで、パール兄弟を手っ取り早く知るために最適、とのこと(曰リサイクルブック店主)。バンド形式のニューウェーブ・ポップス、という言い方はできるものの、サエキけんぞう氏の変幻自在なユーモアと窪田晴男氏の職人的なギターが光る、ストレンジでありながら高品質な楽曲の数々は今聴いても十二分に面白い。というか、最近のバンドが面白いと思ってやっているギャグの類はだいたいサエキ氏がもっとラディカルな方法で使い尽くしてしまっているのではないかとすら思う。今聴いても尚新しい、ということはないかもしれないが、『日本の面白い音楽』史に於いて押さえておいても損のない大定番であることは確かだ。

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日のCDその2。 

ジョリッツ登場

ジョリッツ登場

 

日本のバンドによる1stアルバム。2017年発表。というわけでこちらもサエキけんぞう関連音源。ジョリッツはハルメンズの記念再結成『ハルメンズX』を母体として結成されたバンド、ということで、概ね現代のハルメンズ、ということになるのだが、個人的にあまり思い入れがないので最新のバンドとして聴いた。パール兄弟や、作詞の仕事などで遺憾なく発揮されてきたサエキ氏の面白くもストレンジな感性は現代に於いてもまったく衰えることなく、かつての盟友や下の世代の才能を借りて爆発している。皮肉っぽくフレンチ・ポップスを歌う一方でゴールデン・カップスなどにもルーツのある氏のヴォーカルは独特の艶があり、ニューウェーブを何度もねじれさせたような演奏をストレートに聴かせるものとしてまとめている。サウンド面でハルメンズを思い出させるというよりは、今なお受け継がれるハルメンズの精神性をフィーチュアした、という感じだろうか。攻めの、現役の、ロック・アルバム。名盤。

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はてブロのグルー

稿。というわけで、告知。

月、6/17(日)にホテルさっぽろ芸文館で行われる北海道COMITIA8にサークル『Survival Sickness City』で参加します。新刊は以下の二点。

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「外は天気雨。目の前に、花嫁がふたりいる。」

『結婚式』と『百合』をテーマにした書き下ろし小説。スターターブックよりプロトタイプ掌編「銀幕の雨」収録。

狐の嫁入り
一次創作長編小説
A5判 本文28ページ 500円 イラスト:いな(@xxequal)

 

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サブカルチャーを愛するすべての人へ捧げるファンジン第3号。特集は南米とゲーム『VA-11 Hall-A』。

『CONSOMME CUBE Vol.03』
A5判 本文20ページ 400円 イラスト:山田まりん(@the886lab)

・コラム:『VA-11 Hall-A ――最新の、そしてもう一つの南米文学の形』(先行公開中
・ゲームレビュー:『ゆめにっき』
・ゲストページ:山田まりん(from『the886lab.』)
・ブックレビュー:『悪魔の涎・追い求める男 他八篇』、『CITY (1)』
ポルノグラフィティ全オリジナル・アルバム・レビュー(後編)
Spotifyで聴けるシェフのおすすめプレイリスト『The Other Side of Glitch City』
・エッセイ:『ミロンガを想う』
・詩:『屑鉄』

その他、既刊も在庫のあるものは一通り持っていきます。宜しくお願いします。

 

週のお題「おかあさん」ということで書いてみる。母には本当に苦労をかけ通しで、どう孝行したものかな、とずっと考えている。こうすればいい、終わり。ということも無いのだろう。常に感謝と尊敬の念でもって日々を過ごしていきたいものだ。

日のCD。

Country Kill

Country Kill

 

 JOY HEIGHTS『Country Kill』

日本のバンドによる1stアルバム。2008年発表。ここのところMO'SOME TONEBENDERをよく聴いており、とはいえ『The Stories of Adventure』は名盤!「足跡とショートホープ」名曲!みたいな、五億六千二回ぐらい言われていることを繰り返してもしょうがないのでメンバーの関連音源を。大友良英百々和宏/tatsu(レピッシュ)/中村達也、という、字面から音楽が聞こえてきそうな面子で録音されたアルバム。基本的には足回りを軽くしたKing Crimsonがジャム・セッションしている感じというか、もともとライジング・サン・ロック・フェスティバルの企画で意気投合した企画だったらしいのだが、あの現場、RED STAR FIELDの夜中を知っている人間であれば問答無用でエキサイトできそうな内容。おそらく現場の熱量は凄まじかったのだろう、という想像で止まってしまうのが惜しいアルバムではあるが、それでもなお、この音源を越えてくるような格好良さというのは他ではあまり見かけないし、シンプルに辣腕同士の真剣勝負、ということで聴いてみて損はない。モーサム関連音源というには若干、百々の影が薄い気がしないでもないが、これはこれで、ロックンロールバンドであるモーサムとはまた違った一面が感じられて良いのではないだろうか。複雑な味わいの良盤。

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日のCDその2。

スペースシャワー列伝~宴~

スペースシャワー列伝~宴~

 

V.A.『スペースシャワー列伝 ~宴~』

日本のライブ企画によるコンピレーション。2002年発表。モーサム関連でもう一枚。企画自体は今でこそすっかりお馴染みとなったものだが、流石に16年前の面子ともなると凄まじい。メジャー・レーベルで選んだ裏『極東最前線』とでも言うべきか、当時はハードコアが如何に時代のポップまで接近していたか、という記録として意義深いアルバム、だろう。Scoobie Do怒髪天THE BACK HORNといったバンドの初期の(隠れた)名曲、NAHTfOULといったそれこそ『極東最前線』勢、今となっては懐かしい名前まで、本当に捨て曲のない名コンピであり、繰り返しになるがメジャーでこれを編めたというのは本当に奇跡的だと思う。

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ズブズブのグランジっぷりが微笑ましい。少しPlastic Tree風でもある。

 

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